“伝える”ということ

「人と人」「人とモノ」「人と地域社会」をつなげることが自分の使命!
火曜日担当のキナミです。

さて、私が勤める博物館では現在、
特別展『ピカソ 天才画家の版画芸術』を開催しています。
“ピカソ”のネームバリューの効果もあってか、
普段来館しない客層(親子連れの家族、カップル、20~30代の
サラリーマン、OLなど)が連日多く訪れ、20世紀最大の芸術家・
ピカソの版画作品を楽しんでいます。

先日、こんなことがありました。
全盲のご主人、弱視の奥さん、そして小学生ぐらいの娘さんが
来館されたんです。学芸員になって浅いものの、職務として
作品の解説などをしなくてはなりません。彼らに同行しながら、
ピカソについて、展覧会についてお話ししました。

しかし、一つ、そして最大の問題がありました。
それは「作品説明」です。
目の不自由な方に「作品」「色」をどう伝えたらいいか、
戸惑いながらも、自分ができうる“伝える”手段をもって対応しました。

一通り案内を終えると、最後にご主人がにっこり笑って、
「ありがとう」って言ってくださいました。
“伝え”きれなかった作品の魅力、そしてつたない解説。
そんな不甲斐ない私に、感謝の気持ちを伝えてくださった彼ら。
逆に私が救われた気持ちになりました。

スタッフルームに戻ると
作品の素晴らしさを伝えきれなかった
やるせない気持ちでいっぱいになりました。

“伝えること”の難しさ。
でも何とかしたい…。

障がい者に“伝える”ことができる学芸員は全国でも少ないと思います。
その道の専門家になれば 私も世から必要とされるのかなって。
ちょっとでも役に立つ人間になれるのかなって考えました。

また一つ私の目標ができました。
障がいのある方でも楽しんでもらえる解説のできる学芸員になろうって。

早速、アクションに起こします!

その経過はまたこのブログで追々。

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