受入れ企業にとっての視察の効用
唐突ですが、今日は、視察の受け入れ側に立って、企業視察のメリットについて述べてみたいと思います。
当たり前だが、企業視察は、受け入れていただく企業の協力があって始めて成り立つ。視察する者は、視察できることが「権利」だとは決して思ってはいけない。謙虚さが何よりも大切だ。
一方で、受け入れ企業としては、時間だけ取られて何のメリットもないように思われがちだが、考え方と受け入れ態勢によっては、大きなメリットになる。
今日は、その3つのメリットについて触れる。
メリットの一つは、視察を通じて、視察参加者に、企業のファンになってもらうことだ。企業視察は、2時間あまりの時間で視察者をファンにする絶好の場だ。
日ごろからまじめな経営をしていれば、視察者をファンにすることは簡単だ。なぜそのビジネスをするのか、なぜその製品を作るのか、その製品の開発秘話(ストーリー)などについて、社長から話を伺うと、社長の熱い思いが伝染して、視察参加者が会社やその製品のファンになることがよくある。
視察者は、その会社のことを何とか応援したくなるものだ。視察参加者は、リアルの場だけでなく、ソーシャルメディアにおいても、まわりの人に、その会社のよさを伝える。口コミの伝播効果が期待できる。
受け入れ側の社長さんは、視察を「社外営業マン養成セミナー」だと考えると、新たな気づきがあるかもしれない。
視察を受け入れるメリットの2つ目は、社内整備のきっかけになるということだ。
外部の人を受け入れることによって、社内環境の美化が促進される。掃除や不用品の処分はもちろん、照明やオフィスのレイアウトも見直すきっかけになるかもしれない。
視察を受け入れるメリットの3つ目は、社員教育、ひいては社員のモチベーションアップの手段として使えるということだ。
視察者に対して、社員さんから自分の業務内容を説明していただくことがあるが、その社員さんは自分の業務を見直すいいきっかけになっていると思う。突飛な質問に回答するのもいい訓練になる。
日ごろスポットライトの当たらない中で、黙々と作業しているのかもしれないが、視察者に対して説明している瞬間はスターになれる可能性を秘めているのだ。
以上、視察受け入れの3つの効用について述べた。多くの企業が視察受け入れを手間ではなく、チャンスだと思って、いい視察が広く普及することを願ってやまない。
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