壺中の天
心の時代。
これまでは情報格差がものをいいましたが、これからは意識格差が幅を利かすようになってくるでしょう。
では、どうしたらその意識を高めていけるのでしょうか。
これこそがこれからの人材育成の大きなカギです。
知識で意識は変えられません。
心構えを良くする啓蒙書を読んで頭で理解しても、なかなか意識レベルに落とすことは容易ではありません。
自己啓発研修に参加して、そのときは高揚してもまた元の状態に 戻ってしまうことが往々にしてあります。
常に高い意識を維持し続けるためにはどうしたらいいのか―― この答えを出すことが出来たら、企業での人づくりは確実に進むことになるでしょう。
あのイチローも「自分にできることをとことんやってきたという意識があるか。それを実践してきた自分がいること、継続できたこと、 そこに誇りを持つべきだ。」と語っています。
常に高い意識を維持し続けるためのひとつのコツとして別天地をもつことが重要といわれています。
壺中の天という故事があります。
露天商の老人が店じまいを終えると、するりと店先にあった壺の中に消えました。
それを見ていた役人が翌日、老人に頼み込みました。自分も連れて行ってほしいと。
一緒に壺の中に出かけてみると、そこには素晴らしい宮殿があり、老人から例えようのない歓待を受けたという話が由来です。
壺中の天は世俗のしがらみから解放される別天地をもっているということが意識を高く保つうえで重要という示唆をしている訳です。
人を大切にする‘いい会社’への視察はまさしく壺中の天といえるようです。
今年度もたくさんの素晴らしい壺の中へ入っていく機会をつくりたいと思います。
小林秀司
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