人としての源が育った保育園

もうずっと長く指導をさせていただいてる保育園があります。
顧問先ではもっともはやくクレドを導入しました。

社風をよくする「理念研修」ももう6年となりました。
東京都、行政区の割り当てを受けているので、売上や利益という業績では人本経営の効果を推し量ることが出来ません。

社風をよくするコンサルティングを実施することになったきっかけはその直前に職員の離職が相次いだ時期があったからです。

毎月、毎月、勉強会を重ねその回数は60回になろうとしています。
離職者が減り、あそこの保育園の職員は明るくて親切という評判が立つようになりました。

昨年度はとうとう離職者ゼロという誇るべき結果を残しました。
育児休業で休職した職員も全員が復職してきます。

今月、はじめて卒園式にご招待されました。

園に着くと、いつものようなトレーナーやエプロン姿ではなく、フォーマルな装いの職員の皆さんが動き回っていました。たくさんの晴れがましい保護者の姿もあちこちで見受けられます。

やはり今日は特別な日なんだと実感が沸いてきました。

いつも勉強会をしている大きめの保育室に誘導をされ、用意された席に着きました。
まず、在園児が入場、誰一人私語もなく、卒園児の入場を待ちます。

そして、拍手の中をこの春から新1年生になる年長の15人の園児たちが入場をしてきました。
ひとり一人がきちんとしっかりとした入場をしていました。

園長先生は卒園証明書を一人ひとり略すことなく丁寧に読み上げて将来どんな職業に就きたいのかということをコメントさせて、それに対して激励の言葉を添えていきました。

いくつかのイベントが次第にしたがって進められていきました。

式は1時間あまりの時間でしたが、卒園する15人の子供たちの希望に満ちたキラキラした目、凛とした表情、そして自信にあふれた態度があまりに素晴らしくて感動をしてしまいました。

やがて祝辞ということで指名をされました。
私はそのままを言葉にしました。

「みんな、卒園おめでとう。今日はみんなの目の輝きと凛々しい態度に感動しています。小学生になってもこの保育園の卒園児であることを誇りに思って、いっぱい友達をつくっていってね。みんななら絶対に出来るから。

保護者の皆さん、ここの職員さんに触れて、なんて感じがいいんだろうと思われたことは一度や二度ではないことと存じます。毎月、この教室で夜、職員の皆さんと働く幸せについて学ぶことを続けてきました。

幸せを実感している職員さんが日々、お子さんたちに愛情をたっぷりと注いでこられ、今日があります。

私たちの保育園は『安心と信頼が根付いた保育園で、人として生きる力の源を日々創り続けます。』ということを経営理念として大切にしてきました。

お子様たちをみて、まさしく人としての源が確実に育っていると確信いたしました。
今日は、お子様の成長に心からお喜びを申し上げます。

卒園するみんな、今日の夕飯の時に、お父さん、お母さんに『今日まで育ててくれてありがとう』って言えたら最高の一日なるよ。」

といったような祝辞を述べさせていただきました。

保護者の代表謝辞も、他の保育園に行っているお母さんから羨ましがられている、本当に感謝したいという旨の発言がありました。

なるほどと思いました。

はじめて今年、卒園式に招いてくれた理由が分かったのです。
ここまでの保育園になりましたよ、どうぞ見てくださいという園長先生の心のメッセージだったのです。

本当にうれしかったです。
これぞ人本経営、理念経営の素晴らしさと改めて感じさせていただきました。

やってきたことがこういう形で報われて究極の幸せの実感をさせられました。

そして、今年も春がやってきました。

小林秀司

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