さりげなく気くばり

 M2 瀬賀孝子 です。

 誰もが自分の感覚にあった時に心地よいと感じるのだと思う。
私はホテルが好き。ホテルに居るのが心地よい。それもさりげなくい心
くばりのあるホテルが居心地がよい。

 先日、山形県かみのやま温泉の「古窯」に宿泊した。ここはホテル形式
を取り入れた和風温泉旅館だ。心地よかった。
 まず大げさなお迎えお見送りがなかった。おもてなしを打ち出す旅館に
よくあるのは、女将以下多くの仲居達が居並んでお迎えお見送りをする
やり方だ。私はわざとらしく感じ、ちっとも嬉しくない。
 お風呂が本当によく磨かれていた。温泉旅館には床の隅がヌルヌルして
いるお風呂が多い。本当に隅々までよく磨かれ清潔だった。この点が一番
気にいった。
 接客はあっさりしているが、気配りが行き届いている。従業員が実に良く
訓練されていると感じた。
 ディナーはホテル形式なのでバンケットルームでファミリー毎のテーブルに
なっている。裾に”ピンクの花柄を散らした水色の和服”を着た若い仲居が
サービスをしている。この旅館は新卒採用ができるのだろう。
 少ない人数なので、忙しくくるくると動き回っている。生ビールの追加のた
め手を挙げると、遠くにいる生ビールを注ぐ係の人がすぐ気づいてくれた。
このくらい忙しいとたいてい無視されるのに…..。気配りがいい。

 私のテーブルから部屋のキーが落ちた。すぐに見つけて飛んでこられると
見張られている気分になっていやだが、すぐに仲居は飛んでこなかった。
 近くを通りすぎる時気づいて拾ってくれた。気配りしながら歩いている。
「落としたのはわかっていたんだけれど…」、と、私
「私が拾うのを待っていました?」と、仲居
「あれ、ばれた?」と、私
「バレバレですよ」と、仲居
こんな気軽なセリフが出る仲居は若かった。短い会話をしてすぐに離れて
いった。しつこくなくていい。

 朝食も大きなバンケットルームでビュッフェスタイル。やはり仲居は少ない。
食事を終え席を立ち出入り口に向かうと、背中に「有難うございました」の
声がかかる。振り向くと若く綺麗な仲居が私に目を合わせニッコリと美しく
笑った。大げさなわざとらしいお辞儀をすることなく忙しく食器をかたずけな
がら。

 オープン間もない頃に六本木のRホテルに食事に行った。「おもてなし」を
売り物にしているホテルだ。すべてが洗練されている。
 しかし、これでもかこれでもかと「おもてなし」を押し付けてくるようでウンザ
リした。サービスがうるさくて友人との会話が中断されるのだ。ちょっと横を見
るとすぐ目があいニコッとされる。じっとこちらを見張るように見つめているの
だ。私の好みには合わず落ち着かなかった。
 友人と「もう二度と来るのは止めようね」「そうね、やっぱりオークラホテルが
一番心地よいわねぇ~}と言いながら帰った記憶がある。

 「おもてなし」はさりげないのが心地よい。

 

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