破天荒社長、人のやる気を引き出す。
8月20日のカンブリア宮殿で紹介された破天荒の経営者、テンポスバスターズ、創業者、森下篤史さん(68歳)。年齢と静岡県出身は私の師匠、法政大学大学院、坂本光司教授と同じだ。
一年間で、飲食店の16万店舗が廃業し16万店舗が新規出店する飲食業業界。独立志向が強いが、味と雰囲気がお客様を満足させないと廃業する厳しい業界でもある。
静岡大学卒業後、レジスターの販売会社に入社し4年でトップセールスになったが上層部と対立しクビに。
坂本教授、トップ・会社に批判的な社員は2通りあり、1人は完全に会社の破壊者、もう一人は創造的破壊者。
後者を間違えると人財の流出となる。前者と後者の見極めは善良なお客様が知っていて森下さんは後者だと思う。
36歳で独立し、食器洗浄機販売、英会話学校、回転寿司等、7つの商売で失敗。
ある日、リサイクルチェーン店の番組を見て、「拾って磨いて売るだけで高級外車に乗れる」にヒントを得る。
1997年に飲食店の中古厨房機器のリサイクルを展開するテンポスバスターズを立ち上げ、5年で上場し、現在は48店舗、2247人の社員、235億円の年商、100歳までやると言う。開業資金を安くし、最初の集客、人材採用等のお客様支援サービスも有り難い。
全国の同業者を20社程度訪問した。儲かっていたが、フィリピン等で遊びまくっている中、森下はチェーン展開を考える。2位が5億円で1強100弱の業界に。
『やってもやってもやり方が分からなくて「もう無理」という時までやらないとダメだ』と言う。
テンポスバスターズ、定年なしで社員の1/3が高齢者、退職前と同じ待遇で出戻り歓迎バツイチクラブ^_^、
店長の了解を取らず好きな店長の店舗に移籍できるフリーエージェント制、逆に店長が他店の社員を引き抜くドラフト制、4年毎の社長の椅子争奪合戦等、やる気を引き出している^_^
森下、7つの外食チェーンの再生も手がける、名古屋から出たステーキのあさくまもそうだ。
あさくま、最盛期に105店舗だったが10年前に倒産寸前、32店舗になったが現在は7億円の黒字に、20日には静岡県の浜松市に三方原店がオープン。
やる気のない社員、ダメ店舗だらけの中、女性店長4名の店だけが僅かの黒字を続けていた。その4名の女性店長を“やまんば軍団”とした。
10年前、私は落ち着いて過ごせるので、確か980円のステーキ弁当とぶどうシュースで昼食を兼ねて90分程度デスクワークしていた思い出がある。
カンブリア宮殿を見て、妻と味、サービスの確認に。外見は変化なし。土曜日の昼時であったが、駐車場が満杯、店に入ると行列が。
メニューを見てデニィーズを思いだした。大久保社長になってから美味しくして価格を徐々に上げていくという戦略だ。
やまんば軍団、怖い面もあるが、根底には愛がある^_^
パートさんを含めて店舗全員でやろうという施策も^_^
多くの経営者が間違えるのが、社員が活き活き働くのは、制度次第と思うこと。
傷だらけの国産車で通勤、俺が責任を取る、自分の周りにいる人の人生を応援するという森下に社員が付いてくることに原点があると見た。
色々な制度を作っても、トップに有名になりたいとか儲けたい姿勢があれば、社員の離職は続く。
同じく、テクニックだけを話して聞き手の心を掴まない講演が多いように感じる。
講演者が苦労をせず人を優しく包み込む姿勢が不足していると思う。それが苦労の経験をしない若者を主にテクニックを求めて簡単に儲かると錯覚させてしまう。
トップが変われば、いい会社になったり、ブラック企業になるのは社長の生き方、考え方次第だからである。
テコ入れ中のあさくま、私の目からはまだまだ改善点が多い。でも5年降り?に行ったあさくまは人出、味は変わっていた。
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