『お金が溶ける!』

2014年に起きた賞味期限切れ鶏肉問題や2015年の異物混入問題を契機として、業績不振が伝えられるマクドナルドさん。昨年11月に発表された同社の決算短信を観てみました。

まず、平成27年12月期第3四半期の損益計算書からの数字です。対象期間は1月1日から9月30日の9か月間です。前年の同じ期間と比べ、経常利益で217億円の赤字拡大。売上で347億円の減少になっています。更に粗利益が26億円の赤字。これは単純に考えると、売れば売るほど損をする事業構造になっているということです。費用項目である販管費を前年に比べ、10億円ほど圧縮していますが、『焼け石に水』状態です。

次に貸借対照表から抜粋した数字です。前期に比べ、長期借入金が182億円増加したにもかかわらず、現金預金が154億円減っています。すなわち借金をして、ドンドンお金を投入しても、瞬く間にお金が無くなる状態。まさに『お金が溶ける!』状態です。正常な経営者であれば、その心身は、想像を絶する状態のはずです。夜も眠れぬ毎日のはずです。正に背筋が凍る思いです、

このマクドナルドさんの事例は、私たち中小企業経営にかかわる者にとって他山の石なのではないのでしょうか。今一度、この厳しい現実に目を向けた時、伊那食品工業株式会社の「いい会社」をつくるための10箇条の重みが伝わってきます。

「いい会社」をつくるための10箇条
一 常にいい商品を作る。
二 売れるからといってつくり過ぎない、売り過ぎない。
三 できるだけ定価販売を心がけ、値引きをしない。
四 お客様の立場に立ったものづくりとサービスを心がける。
五 美しい工場・店舗・庭づくりをする。
六 上品なパッケージ、センスのいい広告を行う。
七 メセナ活動とボランティア等の社会貢献活動を行う。
八 仕入先を大切にする。
九 経営理念を全員が理解し、企業イメージを高める。
十 以上のことを確実に実行し、継続する。

現在好調の企業も、そうでない企業にも本質をついた10箇条です。
個人的には、第10条に、この10箇条を作られた塚越さんの生半可ではない思い入れを感じました。

今日一日、皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

春木清隆

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