有限会社万年筆博士の非価格戦略

先月は、鳥取県の鳥取駅前商店街の一角にある有限会社万年筆博士を取材させていただきました。テーマは非価格戦略です。

                      

昭和40年代ごろには、各地にあった町の手作り万年筆専門店は、TVのCMで認知度を高めた大手万年筆メーカーの大量生産の低価格競争に巻き込まれて、隆盛期の全国数万社から50社にまで激減しました。同業社は廃業か商売の転換を余儀なく迫られました。同社の先代社長も、次の成長戦略をどう描けばよいか悩みの日々を送っていました。

ある日、店を訪れた大手万年筆メーカー部長との世間話をきっかけで起死回生のヒントを得ます。1つの光を見出した先代社長は、成長戦略を描いていきます。自分のアイデアに勝算を感じた社長は、銀行も反対する中、家族や身内だけの応援を受けて、新たな商品開発に挑戦していきます。

そして、3代目の現社長は、同社にいた熟練職人から10年間の技術の伝承を受けて、確かな技術力を獲得しました。先代のアイデアと現社長の技術力を強みに、同社は地方都市の小さい店舗ながらも、世界的企業に成長しました。
                       

現在では、オンリーワンの特注の万年筆を買い求めて、アメリカ、ヨーロッパ、アジアから、わざわざ鳥取に買いに来る顧客も少なくありません。また顧客対応力と技術力への顧客の信頼度が高く、直木賞や芥川賞受賞作家たち、脚本も書く国民的映画監督も、鳥取で自分だけの1本を作りました。

                        

取材の最後に先代社長の奥様よりお話をお聞きしました。涙があふれました。妻として夫を支えて、母として修業時代の息子を見守って、同じ女性として、その内助の功に感動したからです。感謝!
M1 本田佳世子             

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