3.11震災と森の防潮堤

2011年の東日本大震災で津波の恐ろしさを見せつけられた。

津波対策として政府は400kmに及ぶ10m超のコンクリート防潮堤を作っている。
山をつぶし、毎年1兆円の使い、海の見えない港町を作っている。
だが、こんなものいるのだろうか?

震災直後から鬼の形相で、森林による防潮堤計画を訴えた人がいる。

森の防潮堤協会  宮脇昭・横浜国立大学名誉教授・88歳

国内はもとより、世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、
これまで国内外1700ヶ所以上で植樹指導し4000万本以上の木を植えている。

徹底した現場調査から、その土地に自生し、最も安定して存続する樹種群
(潜在自然植生)を探し出し、それらの苗を育て、多種類の苗を密植・混植させ、
自然の成り行きに任せて競争・共存させ、自然な状態に植える手法を実践している。
それまでは何百年もかかるといわれていた森の再生が、
この手法によって十数年という単位で成功することを証明した。

地球規模の森林破壊や地球温暖化が加速するのに対応し、
”いのちを守る本物の森づくり”、“いのちを守る森の防潮堤づくり”を提唱している。

震災のがれきを盛り土に利用し10年もすれば20mに樹木が成長し、
引き潮による海への流出物を止めることもできる。

宮脇先生とは2011年からご一緒することが多いが、
優しさと怖さを感じさえる人だ。

「君、本気か? 本気でやるなら私は命を差し出してもいい」
高齢にもかかわらず迫力がスゴイ。
変人扱いされて嫌われるケースも多い。

復興には利権が関わるので、先生の活動を押し潰そうとする人たちも多い。

津波は突然やってくるわけではない。 前兆がある。
コンクリートの防潮堤に安心して自分の仕事に専念できるものではない。
自然の変化から自らの行動を変化させる感応度が大切なのではないか。

国や誰かに頼ることなく、自立して”生きる”ことの本質に思いを寄せる。

                         修士1年  根本幸治

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