高松丸亀商店街の医食住

高松中央商店街振興組合連合会 理事長 古川康造氏

官庁はじめ全国から、視察が殺到する高松丸亀商店街。
まちづくりの根幹を見直し、衣食住ではなく「医食住」を掲げる。
その理由は、老後を想像すると恐怖だったから、だという。

「50歳を超えると郊外は苦痛です。公共交通がないから軽い買い物でも、車が必要。
しかし、80歳前後で免許を手放し、そ引きこもり気味になってしまう。
だから、車がなくても全部歩けるような安心安全な街をつくろうと思いました。
そのため、まずは病院を一番早くつくる必要があったのです」

病院は再開発のビルの4~5F。入院施設はなく往診回診のクリニック形式だ。
実はこの病院の上に400戸のマンション世帯があり、その入居者のほぼ100%が高齢者。
つまり全員がお客さん。24時間対応の診療科に加え、リハビリセンターなどもある。
病院の院長のコンセプトは“病院ではなく自宅で死にましょう”ということだ。
院長は自治医科大で教授を務めていた人物で実は商店街出身者。
そのため讃岐弁にも精通しており、往診時のコミュニケーションもスムーズという。

観光爆買い期待の街興しではなく、病院を中心にした街作りが消費を生む。
マンション住戸には端末が用意され端末を通して生存確認が可能だ。
現状、機能していない民政委員に代わって入居者を見守るために設けた。
往診ボタンを押せばスカイプ経由で簡易医療もできる。

現在、高松丸亀商店街が取り組む再開発の中で「住」も大切な要素。
郊外に行った人を呼び戻すため商店街にマンション建設をおこなっている。
マンションと病院が空中階でブリッジとしてつながっており、
自宅からストレッチャーでそのまま病院に搬送できる。

インフルエンザの流行前の時期になると予防注射を持った医師と看護師が、
商店街をまわって往診してくれる。自宅でTV見て寝転がって待っていればよい。
仕事などで忙しくなかなか行けない人には、かなり便利な仕組みだ。
医者のメリットは、人を待つことなく病院側から行くことで診療報酬点数は3倍になる。

こうした仕組みを作ることで、住んでいる人だけ恩恵を受けるのではなく、
医療機関で働く方もきちんとしたビジネスをすることができ、お互いがWin-Winとなる。
例え都市部であってもなかなか「医」と「住」が両立できるところは少ない。
このマンションへの入居希望者は日本全国からあり、作っても作っても即完売だ。

行政やデベロッパー、流通大手に頼らず、自分たちの土地のルール すなわち
「所有権と利用権の分離」と「オーナー変動地代家賃制」で、街の再開発を軌道に乗せた。
成功からではなく失敗から学び、情熱が自立した創造力を働かせる。

「根本さんは金融マンなのでわかるでしょ。、やはり証券化が肝ですよ」
坂本ゼミ2016年春合宿、私の人生を揺さぶる衝撃のプレゼンだった。

                         修士1年  根本幸治

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