日中論争の果て

法政大大学院 坂本光司ゼミ 修士2年 根本幸治 49歳

土曜日のゼミの講義が終わった午後7時から個々分かれて飲みに行くのが恒例。

この日は飲酒しない中国からの留学生20歳代半ばの2人と共にファミレスで4時間語る。
日中論争が始まった。

中国:「坂本龍馬は武士なのに、どうして武士の時代を否定したのですか?」
日本:「将軍は徳川家のために政治を行い、米国大統領は下女の給料のために政治を行う」
中国:「日本に武士がいなくなったのは残念ですね。中国も純潔の漢人がいなくなりました」
日本:「純潔の日本人もいない。縄文時代にシベリアから半島から黒潮から混血が進んだ」

中国:「日本人からみて、中国人はどのように見えますか?」
日本:「声が大きいので威嚇的。日本が中国に飲み込まれてしまいそうで怖いなあ」
中国:「日本こそ憲法を変えて中国侵略を考えているのではないですか?」
日本:「平和憲法を護持してるのが世界に1国なのだから、世界の憲法に合わすのが当然では?」

日本:「中国人から見て日本人はどう見えるの?」
中国:「優しいけど、はっきりしないですね。個々の思想や態度がわかりにくい」
日本:「孔子の論語にあるやん。巧言令色鮮(少)なし仁。」
中国:「ん?わからない。巧言令色鮮矣仁、剛毅木訥近仁、何?この言葉は初めてです」
日本:「坂本龍馬は知ってるけど、孔子は知らなかった(笑)」
中国:「孔子の論語は知ってますが、この言葉は知らなかった。学校でも論語の授業をしないです」

日本:「この前来訪された中国の経営者が坂本先生に最も質問したかったことは何だったの?」
中国:「余裕ある現金の投資先について(笑)」
日本:「いい会社の経営はどうなっとるんや(笑)。中国は米国に似てるよな」
中国:「そう。中国人や米国人は議論するのに、日本は議論しませんね」
日本:「会議で議論しないけど、終業後の飲み屋で悪口含めて議論するけどね(笑)」
中国:「それ最近気付きました。重要なのは仕事中ではなく仕事が終わってからの飲み(笑)」

中国:「結婚を決断する要因って何ですか?」
日本:「無い。有るのは縁。Only Oneの人だから結婚するのでなく偶然よ。種の保存が大切」
中国:「それって夢がないじゃないですか?(笑)」
日本:「現実を生きるんだから、夢なんてあるわけないわさ」
中国:「離婚は良いですか?悪いですか?」
日本:「悪いね。愛がなくなっても信頼がなくなっても、夫婦一緒という形こそが美。日本は善より美」

日中論争が個々論争に変わっていく。

坂本光司教授 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「日中論争の果て」への1件のフィードバック