人を大切にする2つのデーター(子宝率と就業規則の見直し)

【人を大切にする経営学会】の先週金曜日のメルマガの巻頭言です。

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人を大切にする2つのデーター(子宝率と就業規則の見直し)
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人を大切にする経営学会 理事 松井 清充
 中小企業家同友会全国協議会 専務幹事

1.子宝率
全国で良い企業づくりの努力が続けられていますが、前回1月に載せた岡山旭東病院の土井院長が職場環境改善に努めている中で自社の看護婦さんを調査すると平均で子供が1.99人であり成果が少しでてきており、職場環境を良くすると少子化を防げるものになっていくと言われていましたが、良い会社の条件に社員の子供の数も該当するかもと調べてみましたら、丁度株式会社東レ経営研究所の渥美由喜氏の提唱で、自治体が子宝率を調査してモデル企業を紹介
しています。

2011年から全国に先駆け福井県が企業の合計特殊子宝率(愛称:企業子宝率)の調査を行い毎年モデル企業を紹介しています。

2014年鳥取県、山梨県、滋賀県、2015年から佐賀県と三重県が実施しました。(2015年静岡県は表彰)
このうち企業規模別に発表している三重と鳥取と山梨と佐賀を見れば企業規模
が小さいほど子供が多い結果です(表1)(滋賀は回答少数で抜いています)。

しかも最高値比較や上位5社比較ではさらに明白です(表2)。

企業として地域の危機である少子化を防ぐ貢献として、労働環境を良くして社員の子供の数が全て2.1以上になるようであれば良い企業指標になると思いますがいかが
でしょうか。

規模別子宝率

2.2つ目には、会員企業に対して「就業規則作成・見直し状況」等に関する

アンケートとしては初の全国的規模での調査を実施しました。2016年4月7日~
6月30日に、実施同友会は29同友会、有効回答数は3,767社。最近1年間の
業況についてみると、「黒字基調」が52.3%、「収支均衡」が30.3%、
「赤字基調」が14.6%です。就業規則を「作成している」と回答した企業は
70.1%、「現在作成中」は5.7%、「作成していない」は5.7%。この業況と
就業規則の状況を比較してみると、黒字基調は作成している企業で58.1%、
作成していない企業で42.9%であり、さらに定期的に見直している企業では、
黒字基調は見直ししている企業で67.3%、見直していない企業で47.5%でした。(表3)

つまり就業規則の作成・見直しを実施している企業の方が、最近1年間の業況
が黒字基調とする回答が高くなっています。

法令を遵守だけでなく、自社の
労働環境改善の取り組みに心配りを怠らない企業のほうが、業況にプラスの影響を与えているという結果がでています。

電通問題も表面化しただけですが、10月28日に「自身の勤務先がブラック
企業に該当する24.6%と3年前から7.4%上昇。長時間労働が横行と調査した
連合総研。

30代33.1%、20台が続き若い人ほど高い傾向。」と報道されましたが、まずはきちんとした就業規則にし、定期的にみなおしていくことが「人を大切にする」企業づくりの第1歩ですね。 (注意:就業規則は10人以上の雇用者の義務ですので、作成義務のない10人未満1944社51.6%、0人96社(専門家など)2.5%の合計54.1%もある中での回答ですので、5.7%も作成していないのはけしからんではなく実態としてみてください。)

就業規則と業況

              

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