ルバンシュ (石川県能美市)

2017年1月21日(土)放送

(BSジャパン1月26日(木)放送)

石川県能美市の化粧品メーカー「ルバンシュ」。社名はフランス語で復讐を意味する。千田和弘社長が復讐を誓ったのは化粧品業界。食品では使えない物質を平気で配合する業界に一石を投じたかったのだ。

ルバンシュは口に入れても安全な製品づくりを標榜し、見事に成し遂げた企業だった。とくに基礎化粧品は食用成分のみでつくっていて、全製品の6割が食べても問題ないというから驚きだ。では、なぜ同業他社は追随しないのか?

それは、極めて非効率だからだった。例えば、化粧水の製造では一切熱を加えない。加熱した方が早く混ざるのだが、天然原料は熱に弱く品質が変わってしまうからだ。さらに出来上がった製品も3日間雑菌が混ざっていないかどうか検査する。これも口に入れても問題ない製品をつくるためだ。

それでも、天然原料の品質は一定ではなく、「失敗すればすべて捨てる覚悟が必要だった」と千田社長は言う。非効率ゆえに同業もなかなか手を出せず、オンリーワンになれた。

しかし、現在の会社が一朝一夕に誕生したのではない。創業から10年、製品の認可が下りず、下請けに徹してきた。さらに大洪水で会社は壊滅的なダメージを受ける。悔しさと意地で開発を続け、天然成分だけでつくったベジタブルリップを発売。これが奇跡のヒットとなったのだ。

現在、地元の無農薬ゆずを使った入浴剤や、ブルーベリーを使ったハンドクリームなど原材料の調達を地元と協力して行っている。面白い制度もある。全社員の投票で社長が決められる「社長選挙」。社長の意思がぶれないよう自らつくった制度だった。

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