人柄は国境を越えて良くも悪くも伝わることを感じた

1年前

3月27日月曜日、午後2時から4時まで、中国の杭州矢崎を視察した。
坂本光司、法政大学大学院教授から順徳矢崎産業さんの話を聞いていたので、トイレがウォッシュレットか確認した。ウォッシュレットだった。

坂本教授、日本でもトイレがウォッシュレットかどうか確認をする。社員が働き易いかの一つのチェックポイントだからだ。

中国では、高級ホテルでも、ウォッシュレットではない。

坂本先生が2年前に順徳矢崎視察後のアタックスさんの情報誌に掲載された記事だ。

坂本先生は杭州矢崎との違いを人の違いと言われましたが、杉山社長の素晴らしさが分かります。坂本先生の文章にも感服です。

【知恵の経営】矢崎の中国法人に学べ

法政大大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

中国・広州市のとなり、佛山市にある「佛山順徳矢崎汽車配件」の工場を先ごろ訪問した。香港から車で約2時間走った工業区にある。順徳矢崎は、静岡県の東から西まで多くの生産拠点を有し、県内有数の雇用貢献企業でもある矢崎グループの中国現地法人である。

矢崎グループは現在、中国各地に19カ所の拠点があり、計3万5000人の従業員が就業している。順徳矢崎はその一つで、従業員数は2400人、自動車用ワイヤハーネスを生産している。

順徳矢崎を訪れたきっかけは、親しくしている大手商社のバイヤーに紹介されたからだ。中国各地を転々とし、現地に進出した日系工場を知り尽くしている。「ストライキが多発し、離職率も30%以上が常識といわれる中国に進出した外資系企業の中で、ストライキがほとんど発生しないばかりか、離職率も他社と比較して大きく下回るいい企業がある…」と筆者に教えてくれた。

早朝から、工場はもとより食堂や福利厚生施設など全てを見せていただいた。「なぜストライキが起きないのか」「なぜ離職率が低いのか」という疑問の答えが、よく理解できた。

工場内は5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ))が行き届き、美しかった。そればかりか従業員の身体的な負担を軽減するため、立ち仕事をしている足元の床にはスポンジマットを敷いてあり、すぐ後ろには休憩用のいすも用意されていた。

一体、この会社はどこまで従業員に優しいのか確かめるため、あえて工場内のトイレを見ると、何と全て温水洗浄便座付きだった。

朝食風景を見るため、スタッフに引率されて午前7時15分に工場内の食堂に入った。これまた驚かされることばかり。

到底、その全てをこの紙面に書き尽くせないが、社員食堂はまるでレストランのような雰囲気で、しかもメニューは日本食はもとより、従業員の出身地に合わせてコックを雇用し、なんと8種類から選ぶことができる。ちなみに、価格はというと朝食が0元、昼食が1元(約16円)、そして夕食が2元となっている。寮に住む従業員が多いこともあるが、最大の目的は、経済的な理由で食事をとらない従業員に、真に体にいい食生活をしてほしいからだと説明された。

何よりも驚いたことは、食堂の入り口で当番の従業員に交じって、社長である杉山正剛さんが立ち、食堂に入ってくる従業員一人一人に、笑顔であいさつをし続けていたことである。

案内役の張さんは「杉山社長は雨の日も風の日も、毎日ここに立って、私たちを迎えてくれています。この方を困らせるようなことはできません」と目を真っ赤にして、話してくれた。「正しい経営には国境などない」ということを教えてくれるいい会社である。

以下、私、
月曜日に視察した杭州矢崎は入社して3年以内の離職率が高い、20%を切るが、近くにあった東芝の会社もそうだと言う。
単純な仕事で2月の正月に国へ帰ると20%を切る社員が戻ってこないと言う。

杭州矢崎も素晴らしい会社だが順徳矢崎はもっと素晴らしい。

すべてはトップ次第。社長の人柄次第。
中国人ガイドの呉さん、2日に渡りガイドをしてくれたが親切だった。
初日のガイドは、早く帰宅したい気持ちがありあり。

人柄は国境を越えて良くも悪くも伝わることを感じた。

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