東京都渋谷区の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」さん
法政大学大学院 坂本光司教授とゼミ生が応援している、東京都渋谷区の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」さん。
数日前の志村ご夫婦の投稿を紹介する。
・ご主人の投稿
無事に退院許可が降りました。
私はもともと強い近眼でしたが、3年ほど前から右目の視力が極端に下がり眼鏡の度を上げても殆ど見えなかったのです。そのため左右のバランスが取れず、よい状態ではありませんでした。
調べてもらうと白内障のためピント合わせができなくなっていることがわかり、ウィズ・タイムの終わったこのタイミングで手術を受けることにしました。手術は心血管へのリスクもあるため3年前に担ぎ込まれた病院で。
私と同じ手術を受ける方は、ウィズ・タイムのアテンドになれる高年齢の方ばかり。思わずアテンドにお誘いしたくなる気持ちを抑え(笑)みんなで仲良くゾロゾロと手術室へ。
角膜に100ミクロンのメスで1.8ミリ切開口を作りそこから直径6ミリのレンズを水晶体に入れるという赤星先生が考案されたフェイコ・プレチョップ法での白内障治療の最新技術は患者への負担が少なく本当に素晴らしいです。
それに加えて赤星先生を支えるそのチームの方々がこれまたすごいのです。
内臓の手術と違い麻酔は目薬のみですので、意識があり聞こえる中で行なわれます。
不安な患者に赤星先生は、熟練した精密な手仕事を進めながら「いまから、目にきれいな紙をあてますね…。少し眩しく冷たく感じますよ…。
次は少し重い感じがするかもしれません…。」と実に丁寧で優しく無駄のない語り口でリズミカルに常に語りかけてくださいます。まるで言葉で麻酔(オーラル・アネステジア)にかかっていくような感じです。
この語り口調が、年間2万人も手術をされている超多忙な先生なのかと信じられないほど丁寧なのです。そうか、これがいつも季世恵ちゃんから言われている「忙しいときこそ丁寧に!」という正にその状態だと。
続いて「これで左の目が終わります、次は右です…」流石に初めての左と違い、右目は工程を知っている分きつく感じます。
あ〜もう限界だと思ったときに、それまでテキパキと動いていた10人以上の看護師の中のどなたかがそっと私の左手を握ってくださったのです。
その瞬間、意識が目から手に移り目の違和感が消え、まるで優しく手で麻酔(ハンド・アネステジア)をかけるように「大丈夫だよ感」が伝わってきました。
きっと、心拍数や血圧が上昇しリスクが高まったその瞬間だったのでしょう。
「はい、終わりましたよ。軽く軽く瞼を閉じてくださいね…」
こうして目薬、言葉、人という3つの素晴らしい魔法で手術は終了し、なんとすでにいまでは眼鏡をしないでも生活できるようにまでなり人工血管に次、更なるサイボーグ化しました。
ご担当してくださった医療チームの方々、本当にありがとうございました。
ところで、赤星先生がある新聞のインタビューに「生活のリズムを保つためには、不規則な生活をひたすら続ける」と話されていることを知り、非連続の連続性にヒントがあるのだと納得しました。
そうか、だとするなら私たちも同じように考えたらいいぞ!
こうして私はこの目の手術を通じ人に安心を与える信頼をベースにしたチームワークとホスピタリティの真髄を知りました。これからの暮らしに、そしてダイアログのこれからの成長に活かしていきます。
ところで季世恵ちゃんは私の手術に安心したのか一昨日から、サウナに入った後のような高熱と滝のような鼻水とライオンのような咳に見舞われているとのことです。
これは私が感染させた風邪ですが、表現が面白く笑ってしまいました。本人は非常につらいのでしょうが、ホスピタリティとユーモアはどんな時でも大切なのですね。
最後になりますが、年度末にお休みを頂きご迷惑をおかけしている皆さま、まもなく復帰いたしますのでお許しください!
・奥様の投稿
【ダイアログ・ウィズ・タイムその後①】
タイムのアテンドの最高齢者はもうすぐ83歳になる私の母″アッコちゃん″でした。
アテンド役を経験してから母に変化が起きています。
一昨日のこと。
「アテンド仲間の会話、前向きだったの。控え室では、お客さんの反応の話をし、どうしたらもっとアテンドとして良くなるのかそんな話題だった。普段、友達との会話って、この歳になると誰が死んだ、あの人がボケた、そして自分の病気の話でね、ポジティブではない。そう建設的ではないのね。それがあの時は現役な会話。仕事する仲間との会話だった。おつかれさまーって言い合えるのよ!」と力強く語るのです。
これ、とても素敵な気づきだと思います。
アッコちゃんには私が無理矢理アテンドをお願いしたので、本番までアテンドするのを嫌がり、お腹痛いだのフラフラするだの言ってましたが、今や次回のアテンドの時はこう言おう❗️とか考えている様です。
しかも昨日は高熱と寒気でうんうん唸る私に、あわててスープとおむすびまで作ってくれました。つい最近までは、周りを見ずに優先順位は自分。ところがアテンド体験後、相手の状況を見て判断し行動をしています。
57年ぶりの報酬もあり、アッコちゃんは何に遣うか考えていて楽しそう。
やっぱりダイアログ・ウィズ・タイムがんばろう!これ、今の日本に絶対必要です!
*写真は堀潤さんにカメラを向けられ、恥じらう母。
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