企業経営の成否
今週、関わっている会社の創業者(現会長)との会話の内容です。その会社の30歳の社員が2千数百円の住宅ローンを組んだことを聞いて、会長は、我が事以上に「大丈夫か」「きちんと払っていけるのか」と心配していると話していました。
会長は、社員の支払い能力を心配しているのではありません。この先、20年・ 30年の長きにわたり、会社が安定的に存続成長し続けることができるか。会社に何かあったら社員の支払いに支障を来すことをヒリヒリするほど、真剣に考えている様子でした。
その会社は、創業から30余年。売上高100億円を射程に捉え、リーマンショックなどの一時を除き、5%以上の利益率を保持し、増収増益を続けている極めて優良な会社です。
坂本先生の著書「経営者の手帳」で先生はこう書かれています。
『企業経営の成否は、すべてトップかかっている。
使命と責任が果たせない経営者は、潔く退出すべきである。』
企業経営の成否は、すべて経営トップにかかっている。経営者の考え方、進め方で、企業の業績はどうにでもなるからである。
その意味では、企業の使命と責任が果たせない企業経営者は、社員のリストラではなく、自らをリストラすべきだろう。
しかし現実には、企業経営の失敗のつけの大半は、下請企業や社員が負う。そして最大・最高の責任を負うべき経営者は、そのイスにとどまっている。こうした企業経営を賛美する人が、社内外にいるはずがない。
経営者が退出する時期は、三年連続赤字経営となった場合であろう。それが社員と社会の我慢の限界である。
今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。
春木清隆
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