あきないの尽きない楽しさ

【商業界】笹井編集長の最近のブログから。

あきないの尽きない楽しさ

皆さんはメーカー、卸、販売の壁がすでになくなりつつあることにお気づきでしょうか。
かつて、小売業のメーカーへの挑戦が華々しく唱えられ、それを流通革命と呼んだ時代がありました。

今、プライベートブランドが開く新しい考え方の時代を迎えています。プライベートブランドを大手商業企業のみのことだと敵視している人はいないでしょうか。

プライベートブランドとは、販売業と生産業とが一体となっていく新しい商業形態の始まりです。

同時に、商業が商人という本来の役割へとはるかに振り返り、原点に戻ろうとする必然の動きへの憧憬だとも見られます。
つまり、古代の商品流通が生産物、または収穫物の直接交換だったことに近づくということです。

かつての商店街に軒を並べていた小売店の実際にやっていたことを思い出してください。

和洋菓子、パン、惣菜、豆腐、練り物などの食品は無論、靴屋も仕立て屋も洋服店もすべて作業が大きな割合を占めていました。

かつては魚屋と仕出しは同じでした。
変わったのは、家電や家具などのメーカーからの商品が大量に生産され、販売だけを引き受ける小売店が出現しだしたころからです。

近代社会は、こうした生産と販売の分離が作り出した流通による合理生活によって人々を「豊かさ」に導いたのです。

それが本当の幸せだったのでしょうか。
今、この歴史の上で、もう一度「あきないびと」としての役割を自覚すべきときが来たようです。

プライベートブランドが大量生産でしか実現できないというのは、必ずしも正しくはありません。
モノだけで考えれば、確かにそうかもしれませんが、付加価値はモノにではなくコトについているからです。
個性的商品が「個」を生かすことを、お客は知ってしまいました。

安さはごく一部の商品にのみ通用する条件です。コトづくりこそ商業の無限の役割です。

価格より価値の時代への移行が間もなく始まります。

いえ、すでにその兆しは見え始めています。
モノではないコトへ、例えば適切ではないかもしれませんが、オークションの面白さを想像してみてください。
価格ばかりではなく、時と場を加えた商品の価値は変わります。

店はその最適の場であり、あきないの尽きない楽しさを提供する場でもあります。
それが単に生産―販売の結合からではなく、輸送・加工・保管・販売、そして消費から再び回収・再生産へと輪を結ぶとき、商業はすでに流通ではなく、区分のない一貫した人類の恒久の平和の道へと融合していくのではないでしょうか。

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