「経営理念」の定め方について

「人を大切にする経営学会」会員に毎週送られるメルマガの巻頭言。

「経営理念」の定め方について
三和建設株式会社 
代表取締役社長 森本 尚孝

まずはこのたびの第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員会特別賞の受賞に対しまして深く感謝申し上げます。

私たちはいわゆる理念経営を標榜しており、このことが大賞企業に選出されたことの一因となっているのではないかと愚考する次第です。
組織の中心となる考え方の呼び名は、「経営理念」「企業理念」「社是」「経営哲学」「クレド」など様々ではありますが、言うまでもなく要諦はその中身と使い方、すなわち策定と運用にあります。

そこで、本稿では私たちにおける経営理念策定の考え方についてご紹介いたします。
なお以下の議論は、すべて実例から得た私見に過ぎないことを予め申し添えます。

思えば私たちは、創業創立以来70年の歴史において経営理念なるものを今ほどに意識したことはありませんでした。
当然、三和建設にも元々経営理念らしきものは存在していましたが、改めて経営理念を「つくるひとをつくる」と定めたのは2013年のことです。

再策定にあたっては、
1.誰もが簡単に諳んじることができるほどにシンプルであること
2.全社員にとって共感でき、かつ等距離に当事者性があること
3.時代を超えた普遍性があること
の3点に留意しました。
以下、順を追って詳述いたします。

1.誰もが簡単に諳んじることができるほどにシンプルであること
私たちの「つくるひとをつくる」はわざわざ憶える努力が必要ないほどに単純です。
私たちの会社において経営理念を問われて即答できない社員は一人もおりません。
それは社内に理念が浸透しているからではなく、それ以前にメッセージがシンプルだからに他なりません。

2.全社員にとって共感でき、かつ等距離に当事者性があること
他社の経営理念を拝見するに、事業やお客さまファーストの観点で作られている事例が多く見受けられます。
もちろんこれらを否定するものではありません。
しかしながら、これでは営業や生産部門などお客さまやものづくりの現場に直接タッチしている人に比べて、サポートしている間接部門の社員にとっては当事者性が薄いものになりかねません。

そこで、私は全社員にとって同じくらい自分ごとである内容にしたいと考えました。
ひとを育てたいという思いは多くの人に共通する欲求ですが、特に私たちの会社にはそもそもそのような願望を持つ者が多いといえます。

スタートアップ企業ではない永続企業においては、何事においてもトップダウンによる演繹法とメンバーの願望の最大公約数を汲む帰納法を両立させる必要があります。
そして今や、私たちの会社において「つくるひとをつくる」ことに直接関連していない社員は一人として存在していません。

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