「あの会社はこうして潰れた」(帝国データバンク 藤森徹)【読書メモ】

本書は、倒産の裏側を観てきた調査マンの書いた事例集です。創業400年の老舗菓子店、名医が経営する病院、ハーバード大MBA取得者が社長の1923年創業の会社などが、トップの判断ミス、無謀な投資、同族企業の事後承継失敗、不正詐欺などで倒産していったドラマが書かれています。気になった箇所を共有します。

・結局は中小といえども「これだけは負けない」という得意分野や人材をひきつける技術力を持つことが生き残りのカギとなる。

・長寿企業の社長はこう口をそろえる。「会社は長く続いても、経営、商品は絶えず変化させないと生き残れない」。

・破産後も関係者からは「長いつきあいで大きな取引もあったが、やり取りは全て現場の担当者。社長や経営陣が出てきたことはほとんどなかった」との恨み節が聞かれた。

・この会社の場合、本業以外への過剰な投資、取引先の倒産による不良債権の発生、経理担当者の着服と甘い対応が重なった。

・ところが三代目の収が社長に就任したころから、「身の丈」から外れた経営が目につくようになる。00年ごろから始まった子会社の設立と、M&A(合併・買収)戦略により、銀行からの借金は膨らみ続ける。中国で現地法人を設立したほか、明治薬品工業、大三、キング化学などを立て続けに買収し、グループの拡大を進めていった。しかし、結局は事業拡大路線が思ったほどの効果が出ないことから、わずか数年の間に吸収合併や、統廃合を強いられる。結果的に、収の社長就任以来、借入金は3倍以上の80億円弱にまで膨れ上がった。

・帝国データバンクが保有する企業データベースによれば、老舗といわれる「業歴100年企業」には3つの特徴があることが分かっている。1つ目が事業承継(社長交代)の重要性。2つ目が取引先との有効な関係。3つ目が「番頭の存在」だ。白元はこの3つが十分に備わっていなかった。

倒産は、多くの人たちを不幸にする悲劇です。本書は、倒産をしないための反面教師となり、また、小生が体験を通じて所論としている「会社は、従業員が大きくし、TOPが倒産させる」を再確認するものでした。

今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

春木清隆 

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