加計学園問題に思う

加計問題、政治的な話しは抜きで考える。

獣医師や我が愛犬シシィを持つ立場から申請取り下げか、不可としていただきたい。

大学院の後輩、私より1つ年下の赤爺、山元 証さんの鋭い指摘の6月14日の投稿を再掲する。

加計学園問題に思う

加計学園問題。国家戦略特区の試みが浅薄な見方に終始している事が残念です。

少し、数値と実績でこの問題を考えてみたいと思います。

1.何故、加計学園なのか?何故今治市なのか?

ここら辺が全く不明です。
牛の生育は四国では徳島県が最高で愛媛県の倍です。また、今治市はタオルと造船の街で畜産とは無縁です。

2.加計学園の実力

ここで、加計学園の既存の大学を見て見ましょう。岡山理大、吉備国際大学、倉敷芸術大学、千葉科学大学。全ての学部で偏差値50以下です。

偏差値50以下、そして40或いは30台の学生は頭の問題では無く、勉強する習慣がありません。
以前、このような大学で、予備校講師が中学の英語、数学から教える授業をテレビでやっていましたが、それが現実です。

加計学園に於いては、このような学生を高額な授業料を取る代わりに、徹底した教育を付けて社会に送り出し、社会貢献出来る人間にさせる為のコンセプトがあるものの殆ど実行されていません

3.千葉科学大学薬学部の実態

現在は薬学部は全国に106大学あります。
薬学部を卒業しても薬剤師国家試験に受からなければ意味は有りません。
千葉科学大学の合格率は43%で、106校中、101位です。

偏差値は45です。
通常、国家試験は合格率が大学別に出るので、落ちそうな学生は事前の大学内テストでふるいにかけられ受験出来ません。
千葉科学大学の場合は、そう考えると実際の合格率は4割を切ると思われます。

一方、6年間の学費は1120万円とかなりの金額です。
この金額を払って薬剤師になれないとなれば、多大な損失です。

4.加計学園の獣医学部の国家試験は?

日本の獣医畜産学部は16大学にあります。
国家試験合格率で8割を切る大学は有りません。
但し偏差値最低の北里大学、酪農学園大でも61あります。

ここら辺の滑り止めとなりますので、加計学園創立以来の偏差値50以上の学生を入学させる事が出来ると思いますが、はてさて彼等を国家試験にどのくらい合格させる事が出来るのでしょうか?
現在獣医学部の国家試験合格率で8割を切っている大学は有りません。

加計学園が大学として認可される事で、獣医師のプライオリティーが下がってしまう事に関係者は危惧しているのだと思います。

学費は北里大学レベルだと6年間で1300万円以上かかります。
この他に住居費を含めると2000万円以上はかかると思われます。

国家試験に落ちると大学の人気は落ちますが、しわ寄せは学生に来ます。

ここら辺でしっかりと国家試験に受かる指導をしてない大学は怠慢だと思います。

5.国家戦略特区と今治市の主張するニ点に対する一考察

1)ライフサイエンス
これは人間の治療の前段階の治験にラット、マウス、猿等が必要なので獣医畜産学は必要と言う議論です。

先日私はさる創薬研究所の薬理研究員、動物研究員の獣医師と仕事で打ち合わせしました。
リケジョの素敵なお姉さん達についていくのにあか爺は専門用語が分からず、机の下で必死でスマホで検索しました。
結果、相当な知識が増えました。

著名な大学の薬学部や獣医畜産学部を卒業した彼女らに対抗出来る教育が加計学園で出来るのでしょうか?

医薬獣は今後の日本の治験の中では欠かせないものです。

ならば、世界の獣医学部のベスト50に日本は何処も入れていないのですから、トップのカルフォルニア大学の分校を日本に作ったら良いと思います。

2)小動物以外の獣医師
今治市のレポートはここが不足していると言っています

しかし、最近のiOTの進化はかなり獣医師や畜産業者の負担を減らして行くと思われます
今後必要なのはベタな獣医師ではなく、頭脳によって畜産農家の物理的負荷を減らしていける人材です。

その意味では畜産も同様に、オーストラリアのシドニー大学の分校が良いと思います。

これらの学問の重要性を感じれば感じる程、加計学園の獣医学部の設立の無意味さを感じます。

6.結論

大学ビジネスと考えると加計学園は一つもビジネスでは実績を残していません

国家戦略特区に出る大学としてここを選ぶのなら世界に恥を晒すことになります。
カルフォルニア大学やシドニー大学じゃなくても良いので、少なくとも国立大学の商業化した子会社大学を国で設立する等の本来の意味での国家戦略特区の存在ぶりを示して欲しいと思います。

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