社員とその家族の幸せを第一とする経営を貫く。
起業を予定している方から、いちばん大切にするのは「社員とその家族」と言われるが、まだ社員はいません。どうすれば良いですかと質問をいただいた。
家族に会社の夢、目的、やり方等を話すことだ。トヨタの生みの親の豊田佐吉は最初の妻とは離婚をして再婚した妻は佐吉の夢を嫌がらず聴き励ましたようだ。
身近な家族を大切にする。
初めてのお客様を大切にして応援団になっていただいたり、仕入先や外注先を社外社員とし情報交換をして応援団になったりなっていただいたりして、無我夢中にやるしかないと思う。
お客様が徐々に増えていき最初の社員を募集する。
新卒採用は難しいと思う。中途採用もあるが、卒業して3年間就活したが採用してもらっていない方も苦しみを経験しているので良いと思う。
子育てママもいいかもしれない。
採用したら、とことん自分の想いを伝えてお客様、社外社員を大切にしていく。お客様が増えるに従い社員を増やしていく。早めの社員採用が望ましい。ギリギリや遅いと教えることが遅れ、社長に負担が来る。
社員へ給与を払うので、責任感が増し、人間として成長すると思う。
無我夢中で、なかなか利益は出ないし資金繰りに苦しむ。
味方は家族だし社員だ。悩みを打ち明け社員から知恵をいただく。
社員と共にやっても利益が出ない。不安が出てくる。「人を大切にする経営学会」坂本光司会長(元・法政大学大学院教授)の本を読んだり、坂本会長の講演を聴き、坂本会長に悩みを打ち明ける。社長、貴方・貴女の考え方は間違っていない。正しいと言われて自信を持つことは大きい。
社員とその家族の幸せを第一としたり、仕入先や外注先を大切にするんだと知人や同業者に話しても、「お前、きれいごとを並べてても儲からなければ意味がない、馬鹿じゃないの」と言われる。坂本会長が訪問して社長の行動は正しいと言われ自信を持ち経営をして発展した社長を見てきた。
3月に中国の双童(そうどう)日用品(ストロー)有限会社を3年振りに訪問した。
岡山市のセリオの壱岐社長が、楼(ろう)会長に質問をした。
「お宅は儲かっているから、人に優しい経営ができるのではないですか?」
「利益が出ないと人本(人間本意)経営はできないのですか?」
と言われるが、どう思いますかと質問をした。
楼会長の答、
「逆だ。社員を大切にしているから利益が出ている。ストローという産業は儲けにくい。でも、ストロー産業に進出することはそんなに難しくない。中国では、数千社のストロー会社があるが、双童ストローだけが儲けている。それは社員を大切にしているから。
私自身がお金を儲けているのではなく、社員みんなが儲けたお金です。
感情だけの経営(人に優しくするだけ)だけではダメで、厳しさも必要だ。厳しさは品質に出てくる。感情だけの経営はやらない方が良い。
社員とトップ・企業の双方向でお互いの気持ちを理解していることが大切だ」。
坂本会長、「楼会長の言う通りだが、日本の経営者はなかなかやろうとしない。人に優しい経営をやらないで儲けとかシェアを追うと儲けないし会社がやがて滅びることもある。
楼会長の強い信念で社員を大切にしたからと言う答は背中が震えた」。
楼会長、創業時は奥様と商売を転々とした。
10年以上前に軌道に乗ったかと思ったが、社員が数名の社員と飛び出て同じ商売をやったことがある。
身内の社員に裏切られることは多いようだ。身内の社員が裏切ることもあることも覚悟して、さらに想いを強くして社員とその家族の幸せを第一にを貫いて欲しい。
「人を大切にする経営学会」 中部支部 知野 進一郎
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