最新の人手不足倒産の現状と対応 続き

先週に続きます。
先週の内容は下記になります。
http://yaplog.jp/sakamoto/archive/10431

6.我が国は、外国人、中国人にはかつては工場で働く単純労働者を求めましたが今求めているのは販売からマネージメントまでできる高度人材です。

中国に進出している大手日本企業の中には、中国で働く中国人の人材を中国人の留学生に求めています。ある大手企業は東京で中国で働きたい中国人の留学生の募集をすると100人以上が応募をしてきました。中国は転職や転勤が多いので不安があるようですが、応募する企業は安心して働けると安心感があるようです。

7.ベトナムの国立ハノイ工業大学には5万人の学生がいます。人気の理由は機械や工具を使い高度な技術が習得でき就職に有利だからです。この大学の中に日本で働くエリートを養成する特別なスクールがあります。

静岡県三島市の南富士が人手不足と後継者がいないので4年前に開設しました。これまでに日本の100社以上に300人のベトナム人を送り込んでいます。

年齢、学歴、年収等のポイントの合計が70ポイント以上になると10年かかる日本での永住権を1から3年で取得できるので高度人材制度で年収を高くする傾向にあります。

8.中国人のヘッドハンターは、中国での勤務経験のある日本人の定年間近の50~60代の職人を管理職として求めています。中国の地方の中小企業で他社との競争に勝つためには技術畑の社員の教育をできる管理職が必要だからです。

中国で働いていましたが、企業がなくなり無職の58歳の男性に白羽の矢が立ちました。
月給45万円でボーナスは2回支給し、10日間の長期休暇を年に2回与えられ、日本へのフライト代、マンションや光熱費も会社負担で中国で新たなスタートを切ることにしました。

9.同じ中国人のヘッドハンターは、中国で勤務経験のある50~60代の定年退職間近の日本人の技術職人を求めて狙う人材に会いに来ました。60歳で年収はピーク時の半分です。中国はハイリスク、ハイリターンで短期間で結果が出ないとクビにされる日本人が随分といるので、年収1300万円、住宅・水道光熱費は負担すると言われましたが今後も話し合うことになりました。

知野コメント
7で紹介された南富士の杉山社長とは4年前から知っており想像以上に4年間で300人の実績があり嬉しいと同時に凄いと思いました。

明るさが見えたと思いましたが、24日に放映されたNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃 労働力激減 そのとき何が」で暗くなりました。

我が国は、2008年から人口が減少に転じて2050年には棺桶型と言われる超高齢化社会を迎えます。

岡山県美作市は今、高齢者人口が40%と棺桶型になり、300票の差で当選した市長は外国人を3000人増やすと公言しています。

安くて真面目に働くベトナム人には30か国が人材を求めています。
ベトナムから台湾へは2017年には6万7千人が働きに行き、日本へを1万人も上回っています。

台湾は26年前から棺桶型が日本より10年遅く訪れるので外国人を受け入れる施策をとってきました。

台湾は労働者として受け入れますが日本は技能実習生として受け入れます。台湾の方が安く手続きも簡単なので日本行きを希望していた数名の方が、台湾へ変えたという例が紹介されました。

台湾のベトナム人の1/3は介護職です。言葉も資格も問わないので介護されている台湾人からは嫌われている事例も紹介されました。日本で働くには日本語も必要だし資格も求めています。

未来世紀ジパングとNHKスペシャルを見て今までの知識と合わせるとこんな提言をさせていただきます。

単純労働者と高度人材とに分けて規制を和らげて外国人を積極的に受け入れた方が良いと思います。

それを明るくしたのが、昨日の「人を大切にする経営学会」の関西支部の例会でした。
次週を楽しみにしてください。

「人を大切にする経営学会」 中部支部
知野 進一郎

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