エコタクシー様へ行ってきました。

 5月9日、東京都足立区綾瀬に本社を置くエコシステムに行ってきました。エコシステムといってもタクシー会社です。エコロジー活動を普及・啓蒙しようと意味で設立された会社です。エコシステムのエコは“エコノミー”ではなく“エコロジー”です。
 
 当日は五月晴れで、最寄り駅の東京メトロ綾瀬駅に白いスーツ上下に身を包んだ小柄で色白な中村社長さんが駅まで出迎えてくれた。社長ご自身によると白のスーツは勝負服と決められているそうで、坂本先生をはじめ我々人財塾のメンバーの訪問に少し緊張されていたのかもしれません。
 
 駅から5~6分の本社事務所に到着すると、早速、社長のこれまでの生い立ちから現在までの事をお話してくれました。開口一番、出身は、作州美作(さくしゅうみまさく)ですと切り出してきた。

「はあ?」作州? 

歴史に弱い私は、聞いたことのない地名で戸惑った。作州とは岡山県の山間部にある美作市(みまさく市)のあたりをいうそうで、小さいころから柔道をされていたとお話が始まった。ちなみに美作は、二刀流で有名な宮本武蔵の出身地でもあるようです。社長の中村さんは、大学卒業後に中学教師をされ、ミャンマーやタイあたりを行き来して戦後を題材とした映画つくりもしていたそうだ。

その後、小学校教諭になり、小学校では生徒が捨て犬を連れてくると皆で飼い、生徒たちに命の大切さを教えた。また、ジャガイモなどを植えて生徒たちと食べ食料の大切さを学ばせるなど、中村さんは、教育方針として自学自習を目指していたという。
 しかし、信念を貫いて教育に当たって中村さんでしたが、訳あって小学校教師を退職し2002年の小泉内閣の規制緩和をきっかけに現在のタクシー会社を起業した。
中村さんの創業の想いは、エコロジーの普及・啓蒙。タクシーにイルカの絵とエコロジーという大きな看板をつけて走り、乗っていただくお客さんにエコロジーの普及・啓蒙を行うものだという。
 
 中村さんの事業運営の目標は、業界で一番安いタクシー、業界で一番給与の高い会社を目指すことだそうです。
それを実現する一つが、コンピューターシステムを駆使した配車システムにある。タクシーは、空車時間を限りなく少なくし、実車時間を限りなく多くすれば、1時間当たりの売上金額が増える。それを社員に還元する。
 
会社は誰のものという事に対してもご自分の考えをはっきりと明言され、
「オーナーのもの、役員のもの、従業員のもの、そしてお客様のもの」であるとお話しされた。また、今後のタクシー業界について中村さんは、AI技術の活用、自動運転技術の進歩などにより多きく変わっていくのだという。

 高齢会社社会を迎えた今、タクシーは益々重要な交通インフラの一つである。
しかし、タクシー業界全体の慢性的なドライバー不足、ドライバーの高齢化、ドライバーの就業環境など問題は山積のようである。 今後さらにユーザーの期待にさらに応えるタクシーに期待したい。
 坂本先生は、法政大学の授業の中で
「どんな仕事でも社会のためにある」、「社会の役に立たない仕事など存在しない」、そして「人は皆、仕事をとおして幸せになる権利がある」、さらに経営者であれば「社員を幸せにする義務と責任がある」とおっしゃっていた事を思い出す。

「タクシーの運転手さんたち、頑張ってください」とエールを送りたい。

帰路の途中、映画で“侍(サムライ)”は知っていたが、今日の中村社長のような方がサムライだったのかなと振り返った。そういえば、中村社長の胸のタイピンには、GREEN SAMURAI という文字が光っていた。

中村社長 お邪魔しました。

石川勝

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