株式会社平和園【No22いい会社視察2013/9/8】
今回は2013年9月と2017年9月、2度坂本ゼミ夏季合宿として視察させていただいた『株式会社平和園』さんをご紹介致します。今回は2013年9月、当時73歳だった新田良基会長の講話をもとにしております。
来週火曜日には2017年9月、新田隆教社長のお話をお伝え致します。
同社の2回の視察は今でも深い学びを得た視察となりました。
<概要> (会社案内及びホームページより)
代表者 代表取締役 新田隆教(新田良基氏の三男)
創業者 現会長の新田良基氏のお父様が帯広駅近くに焼肉『平和園』を開店
創業 1959年
事業 焼肉レストラン運営、淡水魚洋食販売及び釣り堀経営
店舗 十勝管内6店舗、札幌市内3店舗
売上 約13億3150万円(2016年3月期)
経常利益 約7500万円(2016年3月期)
社員数 約140名
来場数 年間約70万人
●幼少~開店まで
新田良基会長が幼少の頃は祖母に預けられ、お母さまとは暮らした記憶がない
新田会長のお父様は大酒のみで、大阪から夜逃げ同然で帯広に渡ってきた
お店は誰かが夜逃げした後の第4抵当物件を借りて焼肉屋を始めた
●平和園の特徴
・北海道とりわけ帯広を大切にしていること(帯広と札幌にしかお店を出していない)
・手切り/一丁付けにこだわる品質(創業時から守り続けている)
*一丁付けとは注文を受けてからその分だけタレを調合して肉を味付けする方法。タレの作り置きはしない
・高品質・低価格(畜産地帯;帯広との深い関係)
*近年国産ハラミを580円で提供できるお店は殆どないのではないかとのこと
・障がい者を雇用し短期間での成果を求めない姿勢(訪問時の障がい者雇用率5.6%)
・徹底した原価計算や数値の管理によって全店舗が黒字(業界平均よりかなり高い原価率であっても安い提供単価を実現できる経営力)
・これまでに一度も店舗を閉鎖していない
・1987年、日本でいち早くハンディターミナルによるオーダリング・システムを導入。待ち時間の短縮、正確なPOS管理を実現。
・44期目で自己資本比率は90%以上(坂本先生のアドバイスから自己資本比率を高める経営を実践している)
●社員やアルバイトへの制度
・社員旅行の実施(2年に1回は海外旅行)
きっかけは北海道から出たことのないパートの女性が5人もいたから
・社員の誕生月には柳月のメッセージ付きバースデイケーキを送る
・独立支援制度
新田会長は“飲食業界では一国一城の主になれ”と社員の独立を支援
●印象的だったお話
・人は豊かになると問題をおこす
・自分で自分を元気付けることができることが大切
・一番うれしかったこととしてお客様に“お前のいらっしゃいませは一度たりとも同じではなかった”と褒められたこと
創業以来、同社の姿勢が帯広の生産者と信頼関係を育み、品質の高い肉を仕入れ、心を込めて一枚一枚を手切りにしてお客様に提供しています。新田会長は“それがおいしさを守り抜くための基本であり、創業以来の伝統”と胸を張ります。新田会長は“会社を大きくすることを目指してきたわけではありません。平和園が真に求めていることは、ここで働く従業員の幸福な毎日。そして従業員一人ひとりの人格の成長”と言っています。つまり従業員の育成が従業員のためであると同時にお客様のためであり、結果として会社の発展に結びついています。
お店は十勝管内に6店舗、札幌市内に3店舗ありますが、どのお店も画一的ではなくそれぞれ特徴をもってつくられて、心からくつろげる空間となっています。
新田会長が長い時間をかけて作り上げた平和園さんをお手本としてもっと多くの方に知っていただきたい、規模の大小ではなく、正しい経営をされていることを多くの経営者に知っていただきたいと考えます。
次週は衝撃的なお話から始まった、会長の息子さんである新田隆教社長の講話をお伝え致します。
***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)
コメントを残す