視覚障碍者の方も十分に働ける~中部支部視察会「六星」報告~

おはようございます。中部支部事務局の諸戸です。

本日は、10月11日に開催されました中部支部の企業視察会について投稿いたします。

今回は、静岡県の六星さんとたこ満さんの、2社を訪問しました。
一回の投稿ではすべて紹介できないので、何回かに分けて投稿したいと思います。

まず、六星さんの訪問記を投稿します。
本日は、
・視覚障碍者の方も十分に働ける!
ということをお伝えしたいと思います。

六星さんは、静岡県下唯一の視覚障碍者のための就業支援事業所です。
また、視覚障害リハビリテーションも提供しています。就業支援とリハビリテーションを同時に提供する施設は全国でもこちらだけとのことでした。
リハビリテーションとは、緑内障などの病気などで後に視覚障碍者となった方に、歩行訓練、点字の解読、パソコンの扱いや料理などを教えたりする活動のことです。

視覚障碍を発症する方は少なくなく、六星さんがある80万都市の浜松市では、年100名の方が発症するそうです。
にもかかわらず、六星さんの存在を知って、就業やリハビリに訪れたり、依頼される方は10名程度と、まだ十分な認知には至っていないとのことでした。

また、知的障碍者向けや身体障碍者向けと比べて、視覚障碍者向けは事業所の数も少ないとのことでした。
理由は、
・視覚障碍者の方は、目が見えない、見えにくいため、働くことができない
との誤解があるためです。
なので、就業支援をしようとならないとのことでした。
そんな中、六星の斯波理事長は長年にわたって奮闘しておられます。

六星さんは、2か所の視察を運営されています。ウイズ蜆塚とウイズ半田です。
ウイズ蜆塚では、主に高齢の視覚障碍者の方が働いておられます。
現在の最高齢はなんと85歳!
ちなみに、少し前まで95歳の方が働いておられたそうです。
みなさん、視覚障碍があるの?というくらいスムーズに仕事をされています。
布製の草履、フクロウのぬいぐるみ、ストラップなどを器用に作っておられます。

ウイズ半田は、平均年齢40代で、比較的若くまた知的障碍を持った方も働いておられます。
こちらでも、マグネット、点字名刺などを正確な手さばきで作っておられました。

実際の製品は下記リンクを参照ください。
http://npo6seiwith.sakura.ne.jp/product/

円滑な作業の裏には、スタッフのみなさんの工夫と想いがあります。

視覚障碍者の方が、円滑に仕事をするためには、分業と補助道具が必要です。
障碍の程度も人それぞれ違うため、それに合わせて、理事長はじめスタッフの方は、作業を細分化し、使いやすい補助道具を開発します。

たとえば、紐を決まった長さに切って、それを束ねる作業では、長さを図るための補助道具としてバケツ(丸いので、巻きつけて計測しやすい)を利用する工夫をしたり、束ねるにも、テープを使うのを苦手な方には、洗濯バサミを使って束ねるようにしてもらい、別の方が、テープで束ねるようにするなどの分業を取り入れるなどの工夫をしています。

ほかにも、封筒にスタンプを押す作業では、封筒をセットする道具、スタンプの位置を固定できる道具などを開発され、手触りだけで正確な作業ができるような工夫をされておられます。

これら工夫の結果、製品を見ていただいてもわかるように、健常者となんらかわらない製品が出来上がっています。

みなさん、真剣に、時に笑顔で働いておられました。
斯波理事長は我々にこう教えてくれました。
・視覚障碍者も働く義務と権利を持っている。我々が、彼らは働けないと思い、働く機会を提供しないことは、彼らの義務と権利を奪う行為である。

今回の視察では、視覚障碍者の方も働けるという事実、視覚障碍者向け就業支援事業所の現状や抱える課題など多くのことに気づくことができました。

来週は、六星さんの歩みや理念について投稿したいと思います。
再来週には、たこ満さんの素晴らしいおもてなしを支える考え方などをお伝えします。

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