~なぜ、この会社は社員の子供の数が多いのか~

平成30年4月から、人を大切にする経営学会の経営人財塾がスタートしました。この塾にはいろいろなプログラムがあるのですが、その中のひとつが「全体研究」で、これは一つのテーマを坂本先生と塾生全員で1年かけて研究するものです。

塾がはじまった4月に、今回の研究テーマは『人を大切にする会社と子供の数に関する研究~なぜ、この会社は社員の子供の数が多いのか~』で、これを1年かけて研究していくことを知らされました。また、この研究結果は、うまくいけば、塾生全員で原稿を書いて平成31年3月(本塾の卒業時)に本として世にだす予定だと言われました。
これをきいて、なんかおもしろそうだなあとおもう半面、「こんな大きいテーマをうまくまとめられるのだろうか」「取材先の会社はとても内容がいいのに、自分の原稿が拙くてボツになったらどうしよう」など不安になりました。

しかし、毎月、塾の中で全体研究をすすめていくうちになんとなく先が見えてきました。
・なにをもって子供の数を多いとするのか
・子供を作らない、作ることのできない方をどう配慮するか
・若い社員の多い会社は、当然子供の数が少なくなるがそれをどう評価するか
など次から次に課題がでてきましたが、これらはそれを坂本先生にご指導いただきながら、塾の講義の中で、みんなで議論を重ねていきました。

塾の中だけでは話がまとまらないこともありましたが、塾のない日はメールで、また個別に集まって話し合いもしました。(今年度のわたしのパソコンは、仕事のメールより人財塾のメールが大部分を占めるようになっていきました。)

坂本先生からは、現場調査の大切さを教えていただきました。
理論だけでなく、やはり、人を大切にする会社を直にみて、社長さんや社員さんに話を聞き、職場の空気にふれることが大事です。

調査対象企業は、坂本先生の情報と塾生の情報をもとに、北海道から沖縄までいろいろな業種、規模の会社を候補として100社以上だして、それを最終的に50数社にしぼりこみました。そのあと、この50数社全部につき、塾生みんなで担当を決め、各会社を1人~数人で訪問するようにしました。
取材先への訪問の仕方(アポ取りから、当日の訪問など)は、坂本先生から、その作法やルールを教えてもらいました。面識のない会社に連絡して会社訪問をお願いするのは、なかなかハードルが高く緊張するものですが、坂本先生と人を大切にする経営学会のおかげで、どの会社からも訪問をご快諾いただきました。
実際に訪問してみると感動の連続で、「まさかここまで!」ということがいっぱいありました。訪問先の会社については、事前にネットや書籍で調査していったのですが、やはり情報で知るのと実際に見るのとでは、全然違いました。「いい会社は玄関に入った瞬間、空気が違う」とよく言われていますが、本当にそのとおりでした。これは直に訪問させてもらったからこそ味わえたもので、わたしたち塾生の貴重な財産になったと思います。

取材が終わってからは、それを原稿にしていく作業です。「本になるような原稿ってどうやって書けばいいのだろう?」って、当初不安でしたが、坂本先生から、原稿の書き方についてもご指導いただき、なんとか書くことができました。
ただ、これではまだ本として出せる状態ではありません。塾生同士のチェック、出版社の編集者のかたのチェックが入り、何度も修正することになりました。最初は、自分の書いた原稿にダメ出しされることは、けっこう精神的にきつかったですが、よくよく考えてみると、素人の自分が書いたものをプロの編集者の方にチェックをしてもらえるというのは、人生のなかでもそうそう経験できるものではないので、すごくラッキーだなと思うようになりました。(実際、自分の書いたイマイチの文章が見違えるように良くなって驚きました。)

そんな訳で、わたしたちの研究成果である本がもうすぐ完成します。
今年3月には出版予定です。
みなさん、どうぞ、よろしくお願いします。
 
最後に、今回このような研究のチャンスをいただけたことに心から感謝いたします。
途中、作業量の多さにしんどくなった時期もありましたが、それも含めてすべてが貴重な経験でした。ありがとうございました。

人を大切にする経営人財塾 小寺 敬二

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