株式会社マコセエージェンシー記念講演【番外No51 第9回日本でいちばん大切にしたい会社大賞授賞式から】
3月22日金曜日に第9回日本でいちばん大切にしたい会社大賞授賞式が開催されました。開催場所は昨年と同様で法政大学でした。昨年は大学内の別会場でしたが、今年は例年と同じく受賞式としてとてもふさわしい薩埵ホール。600人以上の方々が参加くださいました。
毎年どんな受賞企業に出会えるかいつも楽しみです。(敬称略)
昨年は萩原工業、コネクシオ、伊那食品工業、吉村、他11社。
一昨年はTOTO、柿の実幼稚園、コーケン工業、新日本製薬、他13社。
今年はコープみやざき、共同、大和合金、武蔵境自動車教習所、他16社。
2011年から開催されているこの授賞式では、例年受賞企業の想いの一端に触れることができ、多くの感動とともに受賞企業に対する共感や良い空気の共有、日本におけるいい会社の広がりの最前線にいるという仲間意識など、さまざまなものを感じることができます。
そして、例年同様、今回の特別基調講演も大きな感動に包まれました。
今回はその内容をご紹介させていただきます。
参加者全員がその話に集中して聞き入る密度の濃い空間が作り出され、恐らく多くの皆様が自身と向き合う時間を共有されたのだろうと今も感じています。私自身も現場では涙し、帰宅後には妻に話したことは言うまでもありません。
今年の基調講演は株式会社マコセエージェンシー代表取締役 五十嵐芳明氏。
https://www.macose.jp/
講演では、広告代理店である同社のサービス;オリジナル会葬礼状の作成過程を中心にお話を伺うことができました。
以前伺ったお話では、五十嵐社長がどなたかの葬儀に参列した帰り道、“最寄り駅のごみ箱に捨てられた会葬礼状(一般的なテンプレート化された文章)を見た”ことが、オリジナルという同社独自のサービスが始まるきっかけだったと伺いました。
今回、実録音声や動画を織り交ぜた圧巻としか言いようがない講演でした。
同社の制作者(ライター)が、大切な人を亡くした方へ数分間のお電話をして、1~2時間程度以内にオリジナル会葬礼状の原稿をまとめる、そんなお仕事です。
同社にはライターさんが100名以上いて、そのほとんどが女性です。ご遺族に電話をして、これ以上ないと言えるほど全神経を集中させ、言葉だけではなく電話から伝わってくる空気・息遣い・お相手の心の中にあるあらゆる情報を感じとり、引き出していくのです。そして最後にはお相手の中に何かを灯して電話を終える、というような崇高なお仕事でした。
おそらく会場の半数以上の皆さんが涙をこらえきれなかったのではないかと思うと同時に、このお仕事の重みを感じずにはいられなかったでしょう。
毎日約300件の会葬礼状の受注がありますので、一人のライターさんは日々数件受け持つのです。
ライターの皆さんの精神的な負担は計り知れませんが、授賞式帰宅後に同社のホームページを拝見したところ、さまざまな製作秘話や動画によるライターさんの体験談、制作スタッフ紹介ページがありました。ライターさん一人一人の自己紹介文もまた読み応えるのある素晴らしい文章ばかりでした。
(スタッフ紹介はこちら https://www.macose.jp/funeral/staff_introduction.html)
このオリジナル会葬礼状のサービスは究極のサービス業だと感じました。
このサービスは広告業である同社を既存の広告業の枠を超えた普遍的ともいえる存在に自らを高めたのではないかと感じました。
講演の前と後では、明らかに自分自身が変化していた、そんなマコセエージェンシー五十嵐社長のお話でした。同時にこの人を大切にする経営学会の真価を体現した貴重なご講演でした。
<概要>
社名 株式会社マコセエージェンシー
設立 昭和63年10月1日
代表者 代表取締役 五十嵐 芳明
資本金 10,000,000円
従業員数 149名(うち平成30年度 新卒採用5名)(平成30年4月1日現在)
所在地 鹿児島県鹿児島市上之園町25-33 macose PARKSビル
事業内容
・総合広告代理店
・総合広告計画の企画・立案・実施
・テレビ広告・新聞広告・折込広告・インターネット広告・ラジオ広告
・雑誌広告・交通広告・屋外広告(看板)・求人広告
・オリジナル会葬礼状の作成・会葬パネルの作成
・フューネラル関連商品のご提案
以上です。
***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
コメントを残す