株式会社エイト【No53いい会社視察2015/7/29】
今回は2015年7月に坂本ゼミの福利厚生に関する出版プロジェクトの取材としてご訪問した『株式会社エイト』さんをご紹介致します。通常のご訪問とは違い福利厚生に関する内容を中心にお話いただきした。
https://eight-jp.net/
●概要(2015年ご訪問時の資料から *はその後の変更点)
社名 株式会社エイト
設立 1988年10月(株式会社エイト商事)
本社所在地 東京都八王子市明神町 3-20-5 KSビル(*現;エイト本社ビル)
代表者 代表取締役 社長白柳 雅文
(*現在、白柳 雅文氏は代表取締役 会長となり、新たに門倉 裕氏が代表取締役 社長です)
資本金 1億円
従業員数 771名(クルー含む)(*2018年12月現在では844名)
事業内容 建物総合管理事業、不動産事業、マンション管理事業、広報活動、緑地管理事業、イベント管理事業、廃棄物処理業・解体業
●白柳社長と坂本先生の出会い
白柳社長は坂本先生の本との出会いがきっかけとなり2010年5月に初めて坂本先生にお会いになったという事でした。坂本先生の『日本でいちばん大切にしたい会社』によってCS(顧客満足度)ではなくES(従業員満足度)が重要だとわかり、職場環境、福利厚生、人財教育、社会貢献活動などに着手して組織風土の充実を図るようになりました。その出会いは法政大学大学院に集う社会人学生と同様に大きなものだったことでしょう。
伺った際、社内の雰囲気はとても心地よく感じたことを思い出します。
●一番喜ばれた福利厚生
特徴的な福利厚生制度として『オリンピック休暇』があります。
この制度は連続10日間の休暇取得が可能な制度です。入社丸4年を経つと4年毎に付与され1年以内に行使義務があります。
導入時は、ベテラン社員を中心に“やることがない”と消極的な声もあったようですが、若い社員を中心に喜ばれ、結果的には全員が活用しているそうです。
目的は社員のリフレッシュであることは当然ながら、狙いとして周りとの仕事の調整・段取りなどコミュニケーション力やチーム力をアップさせること、家族を大切にできない社員が良い仕事はできないとの社長の思いがありました。結果として制度以上に風土作りに役立ったのではないかと思います。
実際の活用例としては旅行、オフシーズンに実家に帰る(毎年農家のお手伝いでしたが敢えて閑散期に帰った、無人島に旅行した人もいるとのことでした。
通常の休暇では味わえない体験となり、職場の風土には欠かせない制度になっていると感じました。
同社にはさまざまな制度がありますが、この制度が一番喜ばれたようです。
●その他の福利厚生
子供(小学生12才以下)の誕生日休暇取得
配偶者の誕生日休暇取得
結婚記念日休暇取得
ご両親の命日休暇取得・配偶者命日休暇取得
ご両親の誕生日休暇取得
セミナー・講習会の参加7回以上/年への参加費補助金支給(2万円)
独身者のコンパ・お見合いへの応援金支給(3000円/月)
芸術文化活動支援制度
自己啓発本の書籍代補助金支給(3000円/月まで)
永年勤続表彰(5,10,20,30年)
子育て・介護支援制度
八王子健康管理センター利用による健康管理
社員研修旅行、男女別研修旅行
大学院援助制度
外部の福利厚生サービスとの提携
スクーバダイビングライセンス及び小型船舶免許取得奨励
●『経営計画書』という手帳
同社は毎年、『経営計画書』という手帳を全社員に配布しています。当日は外部には配布しないこの手帳を見せていただきました。そこには経営理念、創業時の想い、同社の夢、経営方針、組織図、事業部別の方針、年間スケジュール、採用方針などさまざまな情報が記載がされています。
中でも毎月のスケジュール欄のカレンダーに目を向けると、全社員の誕生日が記載されているだけではなく、社員の結婚記念日やご両親の命日が記載されていました。上記の福利厚生にあるように休暇取得は名ばかりではなく、日々携帯を義務付けられている経営計画書に記載することで休暇取得を確実にしていました。
●最後に
“家族を大切にできない人が良い仕事はできない”という白柳社長のお話が印象的でした。
この経営計画書を拝見していると、白柳社長の言葉が具体的に実践されていることを実感できます。
今回は福利厚生のお話を伺うためのご訪問でしたので、通常の視察訪問とは少し違った内容でしたが、またいつかじっくり会長や社長、社員さんのお話を伺ってみたい1社となりました。毎年バージョンアップしている経営計画書の変遷は大きな学びとなるに違いありません。
***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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