「いい会社かどうかは、すぐにわかる」
坂本光司先生は、ゼミ内でよく、「いい会社かどうかは、空気ですぐわかる」と仰っていました。例えば、福島県郡山市の夢成株式会社のしゃぶしゃぶ屋さんに入ったときも感じたそうです。合宿途上だったため、ガラガラとキャリーケース持参が30名入っても、嫌な顔をせず、ニコニコ、キビキビと、もてなす空気で、いい会社だなとわかったそうです。
それはすなわち、多くの社員さんがゾーンフロー状態だったのかもしれません。ゾーンフロー状態は、ハイパフォーマンスを出すアスリートによく見られる状態で、ほどほど緊張しつつリラックスもしている状態とか。例えばマラソンの高橋尚子選手が、オリンピックで金メダルを獲得した時の楽しそうに走っていた状態です。
中でも、坂本先生がいちばんニコニコ、キビキビしている社員がいるなぁと思っていたら、その人が社長の鈴木厚志さんだったそうです。坂本先生は、「リーダーは背中と心で示す」とも常日頃仰っていられますが、鈴木社長の背中を見て、おもてなしの心が社員に浸透しているのかもしれません。
社員の態度教育は、価値観教育がなければできないし、さらに、感情的なことは特に重要と思われます。会社は楽しい、安心する、私の存在感は高い、私は認められている、悩みや気がかりも打ち明けられる仲間がいる、などの感情的基盤が厚い会社です。
夢成さんでは、養護施設の支援、チームふくしまの活動、など社会貢献にも注力しています。社会貢献によって、人の笑顔が見られる、人を幸せにできている、、、そんな気持ちは自尊感情を上げ、自己肯定感を高めると思われます。「今日も自分なりによくがんばったよなぁ〜、わたしエライよ!」と自画自賛をすれば、自分が大好きになり、「今日はこれができた」などの自己効力感が加わると、「自信」が持てるようになり、そして心のコップが上を向けば、夢や目的を描けるというもの。
会社は人を幸せにする学校でもあるようです。坂本先生が「経営学は人間学」と仰っていたことが、ようやくわかるようになりました。
(人を大切にする経営学会 東北支部 本田佳世子)
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