『主体変容』

失敗しても人のせいにしない。まず自分を変えること。それによって周りを変えていくこと。すなわち「主体変容」、松下幸之助氏の言葉で有名です。

社長の心が変わって社員の心が変わる。親の心が変わって子供の心が変わる。社長も親も、社員や子供への幸せの責任は重いです。及び腰では、社員や子供の心を変えられません。本気の責任感が必要です。人生を賭けるにやりがいのある仕事が社員教育です。本気の責任感を持つ経営者は、オーラを放っています。視察で回ると、この人は常人となんか違うとオーラを感じ、ついつい興味を持ちます。坂本先生は、経営学は人間学と仰っていました。視察に行ったり、学会主催の講演会を聞く醍醐味は、そのオーラに直接触れて薫陶を受け、自分自身の心に取り込み、自分も会社も成長していくことにあると思います。ぜひ学会の機会を活用してください。

さて、日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞する会社は、社員の心の壺に元気を注ぐコミュニケーションが活発です。「日本でいちばん社員のやる気が上がる会社 家族も喜ぶ福利厚生100」にはサンキュウーカード、誕生日のケーキなどいろいろな取組がありますが、基本は、心の壺に元気を注ぐことと思います。

こんな偉そうなことを毎回書いていますが、私は日々反省です。諸先輩の良い対応から学んでいます。坂本先生は、ご多忙な中、常日頃から、笑顔や言葉がけをゼミ生一人ひとりに細やかに対応されていました。

コミュニケーションは関わりです。「何をしゃべって」「人の心にスイッチをいれるか」です。常日頃から、社員のや子供の心の壺に元気を注いであげましょう。コミュニケーションをいただけず、無視されては、徐々に元気を失っていき離職につながりかねません。

部下を直したいなら、まず全肯定⇒条件付き否定、に進みたいです。朝礼で「今日も全員揃った。みんなありがとう、嬉しいよ」とねぎらいの全肯定。あなたがいてくれるだけでうれしいよ、という全面的な誉め言葉です。部下のある行動を直したいなら、「遅刻に関しては直してほしい」と条件付き否定を。この2段階対応で、部下の心を傷つけずに行動を直します。

仕事人間でずーっとこられたある経営者が、思春期の娘さんとギクシャクしていたときに、「○○ちゃん、生まれてきてくれてありがとう」「部活、がんばっているね」「いつも弟の世話をありがとう」など、気恥ずかしいと思わずにメッセージを送り続ける努力をした、と体験を話されました。なにはなくてもストローク。7秒間あれば、1本のメッセージを伝えられます。相手の心をいたわり支えることで、自分自身を元気にできます。自分の耳が自分の声を聞いています。相手に発したいたわりの言葉を自分自身の耳が聞いて、相手と同時に自分自身の心にも、栄養を与えることになるのです。まさに一石二鳥です。

(人を大切にする経営学会 東北支部 本田佳世子)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です