社員を大切にする会社は休職者が少ない?
▼職場復帰の難しさ
身体的な障害が生じて休職した場合は、比較的休職後の職場復帰はスムーズですが、メンタル、抑うつや適応障害の場合の職場復帰は、かなり難しいというのが経営者の実感ではないでしょうか。私どもも、よくこのような場合の対応について、時には休職した労働者の側から依頼を受けたり、時には職場復帰を迎える会社側から依頼を受けたりますが、スムーズな職場復帰はなかなか難しいものがあります。
▼受けいえる企業側にも努力が必要
一般には、職場復帰にあたって休職者の努力(休職前の正常な業務ができるようになるまでの努力)が求められます。初めは時短で様子を見たり、トライアルをするなどして様子を見ながら、徐々にならしていき、休職前の業務ができるようになるまで一定の時間、努力が必要となります。
一方で、会社側も、このような復帰に向けた仕組みを提供し、様子を見ながら業務の内容と本人の状態を調整していくようなキメの細やかさが必要となります。これまで以上にその社員に関心をもって接することが必要なのです。
▼人を大切にする会社は休職者が少ない
日本で一番大切にしたい会社大賞を受賞されるような企業の経営者に皆さんは、休職後の職場復帰の場合に限らず、日常的に社員1人1人に対して、関心を持ち、少しいつもと様子が違うと、その場で声掛けをし、場合によっては社員の相談にのるなどして、社員の心のケアーをいつも行っています。メンタルの障害は、必ずしも仕事から生じる場合に限らず、プライベートの問題などからも発症したりしますが、人を大切にする経営者は、原因が何であっても社員の変化を敏感に感じ取り、未然に発症の芽を摘んでいるのだと思います。
これは簡単なことのようですが、それをやり続けるのは大変難しいことです。このような経営者に私は親のような愛情を感じます。
(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)
コメントを残す