No160記憶に残る経営者の言葉60 三和建設株式会社(大阪府大阪市;建設業)森本尚孝社長
今回は2019年9月に大阪の立命館大学茨木キャンパスで行われた第6回全国大会の三和建設株式会社 代表取締役社長 森本尚孝氏の講演から記憶に残る言葉をご紹介させていただきます。
森本社長は元大手ゼネコンを経て2001年に三和建設株式会社へ転職しています。
当時建設業界は社員の定着は悪く、新卒で10名採用しても3年以内に半分は辞めてしまい、時には全員辞めてしまう年もあったようです。
しかし残る社員もいたことから、“人だけが残った”との考えに至ったとお話されました。そこから三和建設が企業として何を目指すべきか思考をすすめました。その答えは
“人によって選ばれる会社として永続したい”ということでした。
“会社が社員一人一人の成長をサポートすると同時に一人一人の社員が自立をめざす”
“会社が倒産しても生きていける人財をつくる”
そうなれば、“会社は永続できるだろう”と考えたのです。
同社の採用は理念採用型、社員への想いは人財育成の仕組みとして体現されています。
“入社1年目は全員寮生活”
・1階のリビングを通らなければ自室へ行けない構造で、必然的に交流やコミュニケーション醸成の仕組み。
“社内大学があり、学び→現場での疑問→学びのサイクルができている”
・社員の成長を会社がバックアップ
三和建設もゼネコンです。(ゼネコンとは工事一式を直接お客様から請け負う建設会社)
森本社長は、“あなたは何によって覚えられたいですか?”と問いかけました。
“ゼネコンは違いがわかりにくい。何でもできる=何もできないのではないか”とすら言います。
“何でもできるということは特徴がないということ”
“何が得意なのか特徴を出すことが大切”
一般の入札でわかる通り、“建設業界はお金の判断基準しか提供できていない”と言い、お金以外の判断基準を提示しなければならない現実が浮き彫りになりました。
三和建設は領域を絞り込み、食品工場の建設を得意分野にしています。今では食品工場の分野では上位のシェアになっています。
同社の経営理念“つくるひとをつくる”に直結した明快で一貫性のあるお話でした。
以前に投稿した記事は 三和建設株式会社 基調報告【番外No78人を大切にする経営学会 全国大会2019/9/7】 です。このブログ内を検索してご参照ください。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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