社外取締役に女性活躍の道を
11月20日付けの日経新聞に「女性・外国人取締役、主要企業の半数でゼロ 民間調査」との記事が出ていました。この点、日本は他の欧米諸国に比べて遅れているように思います。新聞の記事によれば、アメリカS&P500種株価指数やイギリスFTS350種総合株価指数の構成企業で女性取締役のいない企業は0だそうです。米証券取引所ナスダックは上場企業に対して、人種的マイノリティーやLGBT、女性を取締役に登用するよう求める規則を導入するそうです。
一方、日本では、これまで女性の社員が社内で取締役になっていく仕組みが確立されておらず、女性を自社の取締役にしようとしても、そのための教育や経験を積ませることができていないため、必要な人材が育っていないという問題があります。
しかしそのような企業でも女性を社外取締役として登用することは可能です。
他社の優れた女性社員の副業として当社の社外取締役として就任してもらうようにすれば、女性の取締役就任数は増えると思います。
社外取締役とは、ご承知のとおり、会社の業務を執行することなく、かつ、その会社の親会社や子会社と一定の利害関係を有しない第三者の取締役をいいます。社外取締役の制度は、会社の経営陣から独立した立場で、経営陣を監督するために設置された制度です。したがって社外取締役は業務執行それ自体を担う必要はなく、経営陣を監督できるだけの知見があれば、十分役割を担当することができます。またそのような副業として他社の社外取締役となった女性社員は、その社外取締役を経験し、経営を目の当たりにすることで、多くの学びを得ることができ、将来自社の取締役として大いに活躍してもらうことが可能となります。社外取締役は一定の要件をみたす企業以外は特に義務化はされていませんが、このような制度を中小企業が活用することで、女性の活躍の場を提供することができるのではないかと思います。
(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)
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