【かにのつぶやき】

人財塾4期生の青柳喜彦です。どうぞ宜しくお願いします。

今日は当社の社内報(ものづくりニュース)第一号に掲載した、私のコラムを紹介します。

この社内報は2007年3月から毎月発行されており、現在も継続中です。

 

【某所、坂道の上と下で二人の男が云い争っていた。上の男が叫ぶ。

「坂道は下りだ」下の男が(わめ)く「坂道とは下りのことだ」

そこへ蟹が一匹現れて、坂道の中程を、のそのそと横切ると呟いた。

「坂は眞平らだったよ」

某家で、月も半ばの頃、給料袋の中身を数えながら妻がヒステリックに叫んだ。

「もうこれしか残ってない」夫が覗き込んで云った。

「よかった、まだこんなにあるのか」夫婦喧嘩が激しくなったところへさっきの蟹が現れた。

「酒を飲んでいるうちにビンの中身が半分に減った。まだ半分残っていると喜ぶか、

もう半分しかないと悲しむか、どっちかね、半分になった、でよいと思うがね。」

「自分流の思い込みや分別から先ず抜け出すことだね、世の中はうんと広くなるよ。

較べる物差し、見方、立場を色々と変えてごらん。物事がよくみえてくるものだ。

この世はもともと、明るく、楽しく、静かなものだよ。

お前さん方が自分で騒がしくし、勝手に住みにくくしているだけの話さ。」

『菜根譚』という書物にこんなくだりがある。

≪上も見て、下も見て≫

「物事が少しばかり思うようにならない時には、

自分には及ばないような人のことを思えば、

自分の逆境をうらみとがめる心は自然に消えてしまうであろう。

また、心が少しばかり怠り荒れるような時は、

自分より優れた人のことを考えれば、心は自然と奮い立ってくるであろう。」】

コロナ禍ではありますが、心を平穏に保つことが大切だと改めて思います。

人財塾4期生 ㈱大成 青柳喜彦

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