人形工房「ふらここ」 クレーム対応に苦しむ

ふらここは、東京の東日本橋に本社をおき、伝統人形をネットで販売している会社です。雛人形の顔は、人間の性格の種類に合わせて21種類あります。手に取るお客様の思いを想像し、女性社員がひとつづつ手作業で仕上げていきます。ここにあるのは商品ではなく、娘さんやお孫さんの分身であり、世界唯一の人形として、お客様の思い入れは尋常なものではありません。

アンケート結果によると99%程のお客様から感謝と満足の声をいただいています。これを100%にできないものか、社員の皆さんはさらに努力を重ねておられます。

しかし、100%の満足度は無理だと、筆者は考えています。

1%のクレームとは・・・

「写真と目の輝きが違います」「写真と着物の柄が違います」「人形の表情が微妙に違います」などのクレームに対して、人形を預かり修正を加えます。ところが満足いただけないのです。さらに手を加えてお客様の理想に近づけようとしますが、写真の精度が良過ぎることがあり、無理なのです。装飾品の一つ一つについても、天然や手作りに寄るため全く同じものはありません。

ついには、仕上げを担当する社員への負荷が高まり、お客様の要求に応えられなくなって仕事ができなくなってしまいます。他の部署の社員や社長がサポートにはいっても要求に応えられません。仕方なく返金して返品をいただくことをお願いします。ところが、お客様は返品を拒絶されます。お手元の人形に娘や孫を重ねて見ているので、返品は考えられないのです。内裏様を返品することは、娘の将来の離婚を連想させるので嫌がられます。

筆者の私もお手上げです。

どなたか、アイデアをいただけないでしょうか?(学会会員:根本幸治)

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