(株)HSAのコロナ対応での事業転換

田中勉社長が小田原で、「社会的企業」を企業理念に掲げて経営する(株)エイチ・エス・エー。   2016年には第6回「日本でいちばん大切したい会社」大賞の厚生労働大臣賞を獲得されています。

2005年設立からずっと右肩上がりで成長してきた株式会社HSAだが、2020年からのコロナ禍で今後の見通しが立たず、初めて売上が下がりました。毎年社員が提案し進めてきた中期計画も頓挫します。      

そこで、田中社長が提案したのが、総合福祉事業から総合生活支援事業への転換でした。コロナ禍で介護施設への一般人の入所が制限された中、すでに近隣の土地に研修施設を建設し、そこでリフォーム事業を立ち上げたのです。

神奈川県中小企業家同友会のホームページに掲載された田中社長へのインタビュー記事によると、

「昨今、問題視されている親ガチャ問題は、小田原市でも深刻で、親の介護のために不登校になっている子供達がいます。その子達は、中学は卒業できても、ろくに登校できていないので、漢字が書けず、計算もできないから、就職もできない。そんな子どもに従事してもらい、勉強を教えながら仕事も覚えてもらうということを始めました。」

社会の役に立つ事業はさらに増えていきそうです。今後は、食事の宅配も考えていると語っています。「我々は次世代に何を残せるのか」と、常に自身に問いかけるといいます。

だから、仕事が趣味なのではないかと思いきや、趣味は読書だといいます。社会学の本はもちろん、一番好きなのは哲学書で、「ワンピース」や「キングダム」のマンガも愛読しています。

田中社長は、社会学を独学で学び「人間尊重経営」を掲げて実践してきました。

小田原と言えば二宮尊徳。                                  田中社長の独学の気概は二宮尊徳を彷彿とさせます。(学会会員:根本幸治)

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