人本経営に向けた取組み

皆さまご存じのとおり、先日14日の日経新聞朝刊(末尾画像参照)にも掲載されましたが、人財(当社では人材ではなく人財と呼んでいます)はコストではなく、価値を創造する欠かせない資産であるとして、人的資本とその開示に向けて社会や政府が動き出しています。

2019年の米国ビジネスラウンドテーブルの声明文の発表から、最近の流れを見ると、

(参考URL:https://www.dhbr.net/articles/-/6147

人を大切にする経営学会が提唱する「人本経営」に社会や企業が追随しているように思います。

マッキンゼー&カンパニーの調査によれば組織健康度指数(組織健康度と個人の幸福度)で上位25%に入る企業は、下位25%の企業の約3倍の株主利回りを実現していると報告され、『組織文化は、ビジネスモデルが模倣されやすい領域において究極の競争優位となり得るもの』と結論づけており、人本経営の理念を明らかにし、共通価値として位置づけることは、企業が永続し、企業を取り巻くステークホルダーを幸せにする(5方良しを実現する)ために最も重要と事であると考えられます。

しかしながら、昨今の流れで心配するのは、企業において対外的な発表や開示に重きが置かれ、実際の現場、現物、現実においては開示とはかけ離れた事実が存在しないかということです。

人財はそれぞれ、個性や特性があり、価値観も異なります。それぞれの人財と向き合い、環境整備や育成を進めていななくては本当の「人本経営」は実現できないはずです。

当社においても未だその対応は十分ではなく、日々試行錯誤しながら取組みを進めています。

その中で「障がいのある社員」の雇用に関しある同僚から、「そこまでの対応は他の障がいのある社員との関係で不平等ではないですか?」と言われたことがあります。

具体的には疾病により手足が不自由となり車椅子での生活を余儀なくされた社員の継続雇用と環境整備において、当該社員の状況に合わせて勤務体系や勤務環境を整えた時のことでした。

障がい者の雇用に関して「平等」と「公平」は異なり、「公平」な対処を行うためには、対象者の特性に応じて支援を提供する必要がありますが、この同僚はそれを「不平等」と判断したのです。もちろん過剰な支援は必要ありませんが、対象者が復職するために他の社員とは異なる支援を私は必要と判断しました。

これは一例ではありますが、「人本経営」実現のためには、人財と向き合い、自律と自立を促しながら必要な支援や育成を行っていく。十把一絡げではなく、「個」と向き合い対処することを関わる社員が意識していくことが大切と痛感しました。

EMBA4期生 大興電子通信 間渕 剛志

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