まるだい運輸倉庫 秋元美里社長の取組み

小田原市の(株)まるだい運輸倉庫。                                        秋元美里社長は女性経営者として男性中心の運送業に新風を吹かす経営をしています。

男性の職場というイメージが強い物流業界ですが、同社では女性の積極採用を経営戦略の一つに掲げています。女性ならではの視点を職場に取り入れて業務改善や組織の活性化を目指す同社は、子育て世代の主婦層をターゲットにした採用に力を入れています。フォークリフトや大型免許などの取得費用を全額負担して応募のハードルを下げるほか、条件を満たせば保育所の費用も一部負担するなど、人材確保に向けた投資は惜しみません。

 秋元社長は「優秀で能力があるにも関わらず、結婚や出産を機に一度キャリアを捨ててしまった女性を採用することが、組織の強化につながると考えています」と話します。子育て中の女性は、普段から効率的に動くことに慣れており、家事・育児との両立や一家団らんの時間を確保するために率先して仕事の効率化を模索し、結果として組織の業務改善にも寄与しているといいます。

 女性社員が増えることで役割を増してくるのが、女性管理職の存在です。部長職の関根輝空(るきあ)さんは、女性社員の増加を見越していち早く女性管理職に登用されました。「仕事上の悩みはもちろん、男性の管理職には話しにくいプライベートな相談なども、女性同士だからこそ気軽に相談してもらえます」と話します。男性管理職が女性の部下に過度な気遣いをするあまり関係をぎくしゃくさせてしまうケースも多いといい、両者の橋渡しも重要な役目です。

 さらに、障碍者雇用の拡大についても意識を高めています。小田原市で障がい者雇用をリードするリンクライン(神原社長)を尊重し、女性・障碍者・高齢者といった社会的弱者と言われている人たちの雇用をしっかり守ることが経営者の使命と考えています。歴史が長く地元に密着している会社だからこそ、慣習にとらわれず新しく挑戦していく姿に魅せられます。                  

写真は、秋元社長と関根部長がアール・ド・ヴィーヴルの障がい者アートと共に社内で撮影。         次回は、秋元社長の将来展望についてご紹介します。                      (学会会員:根本幸治)

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