No266 過去の受賞企業から ~第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より⑤~
今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った株式会社アシストさんのホームページをご紹介致します。
株式会社アシスト(東京都千代田区) さんはビル・トッテン(現;代表取締役会長)が1972年に創業、現在の社員数は1283名(2023年4月現在)、事業内容はコンピュータ用パッケージ・ソフトウェアの販売、技術サポート、教育およびコンサルティングです。
同社のホームページは情報量が非常に多く、それぞれの内容が濃く、深いものです。企業規模が大きいことも大きな理由ではありますが、企業としての情報発信のひとつのお手本ではないかと思います。
●【アシストについて】
このページには以下の項目があります。
項目だけの記載ではなく、必要な説明や経緯などその項目のためのさまざまな情報が記載されています。
「社長メッセージ」「アシストの理念」「コーポレートブランド」「経営方針」「アシスト・ストーリー」「受賞歴」「マイスター制度」「女性活躍推進」「企業ビジョン」
特に「アシストの理念」は印象的です。
●アシストの理念・・・「哲学と信念」
ビル・トッテン氏が創業1972年から1983年くらいまで、社員数は100名に満たず、社員のほとんどは同じ事務所で顔を見ながら一緒に仕事をしていました。全員の名前と顔がわかり、何の仕事をしていて、どんな人で、どんなことを考えているのか理解できていました。
しかし、1984年頃から社員数が急速に増えたため、社員一人ひとりの顔を見ながら、それぞれの社員と交流を深めるのが難しくなってきました。
そのため、私が考える「アシストの道徳」を、まず『Second Decade』(のちに「哲学と信念」)として執筆したものです。
その内容を確定する過程において、こんな記載があります。
“もし社員が私の書いたことに納得できなければ、それを改訂させるよう私を説得するのは社員の責任。それができないのであれば、または『哲学と信念』の内容に納得できないのであれば、アシストを辞めてください、と私は言いました。”
まさに理念経営と浸透を明確にしています。
現在は2002年6月14日に改定された内容で序文+11章で構成され約14000文字のボリュームになっています。
●コラム(情報発信)
大きくは「お客様の声」「ITトレンド」「社員紹介」「アシストブログ」に分かれ、同社の様々な側面を読み物として知ることができます。
他社の取り組みを参考にしたいという声から始まった「お客様の声」は、同社が顧客との深い関係性にあることがよく伝わってきます。
『ある日のアシスト』と題している記事も内容がバラエティーに富んでいます。
そして『社員紹介』は過去180人以上が記事になっています。まだまだ一部の社員さんですが、企業として情報発信の大切さが伝わってきます。
●最後に
同社は経営ビジョンが明確です。
2018年から2022年までの中期経営計画「超サポ-2022 」に続き、2023年より3ヵ年の中期経営計画「超サポ-25」を始動しています。
“2022年に、アシストは50周年を迎え、100年続く企業への折り返し地点にいます”とし、“アシストがお客様に提供する価値を見直し、より変化に強く柔軟な企業になるための基礎固めを「超サポ-25」で行っていく”、としています。
ホームページにはその内容が図解とともに説明され、「超サポ-25」は「超サポ-2022」の理念とコンセプトを継承し、「超サポ愉快カンパニー」の実現を目的として進化しています。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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