今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った株式会社天彦産業さんのホームページをご紹介致します。
　https://www.tenhiko.co.jp/

株式会社天彦産業（大阪市中央区）さんの創業は明治8年（1875年）、社員数は41名、事業は国内外における特殊鋼、ステンレス、シリコロイの素材販売、加工販売です。
タイと中国に海外事業所があります。

●社長メッセージ
株式会社天彦産業さんの社長メッセージは、創業から6代目となる現在の歴史とともに、同社が目指すものがわかりやすく記載されていて、とても印象に残ります。
“明治8年（1875年）初代樋口彦三郎による前挽鋸製造業として創業”
“二代目が大正時代としては画期的な通信販売にて海外展開し、三代目が鋼材販売への道を開き、四代目が特殊鋼流通の確立を行い、その存在価値を確かなものに”
“危機が度々ありましたが、『三方良しの精神（売り手良し、買い手良し、世間良し）』をベースにしてきたことで乗り切る事ができた”
“五代目は、社員第一主義を旗印に、価値の追求を求め、お客様へのお役立ちを目指し”
“六代目として、これらを継承、「全社員の物心両面の幸福」「永続企業」を追い求め、『五方良し（社員とその家族、外注先、仕入れ先、お客様、地域社会、株主様）』をベースに、弊社に関わる皆さまが笑顔で溢れるための起点となれる会社作りを行っていきます”
“「いつまでも働きたい会社」「子供や孫も入りたい会社」「つながり続けたい会社」となる事を目標に一人一人の夢と、取引先様の夢と、会社の夢とが重なり合う、関わるみんなにとって幸せを実感し、笑顔溢れる、そんな「夢のツリー」を打ち立ててまいります”

●安倍晋三元首相の同社視察
平成26年4月18日、第96代内閣総理大臣　安倍晋三氏が同社へ視察に訪れています。
中小企業での女性活用の現場を視察したいとの強い希望で実現しました。
工場内の視察に加えて、女性社員5名（海外営業部門3名と国内営業部門2名）との懇談が行われました。
鉄鋼業で働く女性のイメージは付きにくいですが、家庭や子育てとの両立や、同僚女性社員や会社の理解があることなどに加えて、ともに手を取り合って助け合う企業風土があることの大切さを伝えたようです。

●社内委員会活動
同社は「業務と委員会は企業活動で同等の価値を持つ」とスローガンを掲げています。
ホームページではさらに具体的な活動内容や写真が掲載されています。
ヒラメキ委員会・・・自己啓発をベースに「きらめく社員づくり」を応援
トキメキ委員会・・・社内外に対する広報・情報収集をテーマとし活動
ハツラツ委員会・・・社員の心と体の健康管理・促進をテーマとし活動
スッキリ委員会・・・社員の安全・美化をテーマとし活動

●最後に
株式会社天彦産業さんはまもなく創業から150年を迎えます。
同社の長い歴史には事業永続の秘訣が詰まっているのだと感じると同時に、日々の行いそのものが永続に繋がっているのだと思います。
同社を正しい方向に導く経営者のもとで、かかわった多くの人々のさまざまな出来事や活動の積み重ねに、少しですが思いをはせることができました。

補足
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。（人を大切にする経営学会会員；桝谷光洋）