小山昇、武蔵野の間違った指導
埼玉県草加市の山元証さんの投稿から
小山さんの指導を受けてダメになった企業も多い
経営理念と現場改善の齟齬
〜ビッグモーターを指導する武蔵野の小山昇流コンサルに潜む危険〜
長文になります。
ご興味ある方は読んで頂けますか?
既にネットで出回っているが、ビッグモーターのコンサルタントは、一部の経営者ご存じの武蔵野である。小山昇社長は赤字会社を奇跡の回復をさせた事を売りに、経営品質大賞を2度取っており、様々な企業のコンサルをやっている。
ビッグモーターで言う環境整備と言う文言は、武蔵野の指導の軸となる言葉であり、経営計画書も指導していたと思われる。
実は武蔵野は、あの事故を起こした知床遊覧船の企業の指導もしていた事でも知られている。
武蔵野の指導の軸は、3Sである。
この本を私も読んだが、内容におかしな事は書かれてはいない。5Sセミナーの参考に取り上げたい部分も多くある。
実は以前、小山昇社長のセミナーを何回か聞いた事がある。
いつも話すのは「中小企業は社長も社員もバカばかり。自分もそうだが、頭悪いんだから、大企業の真似をしろ!パクれ!」だ。
乱暴な物言いに辟易したが、ただこの本の3Sに関する事や細かい見える化の表現はとても参考になる。
ただ、そこに流れる経営の基本に反した考えを経営者が鵜呑みにするととても危険だ。
以下にその問題点を書いてみたい。
1.売り上げ、利益至上主義の視点の間違い
「企業の存在意義は利益を出して、社員の生活を少しでも向上させ、事業を継続する事」
これをビッグモーターも経営理念に上げている。(今はHPが変わって経営理念は削除された)
文言の通りだが、経営計画書に於いて、ビッグモーターのようにそこを至上主義にして、社員に具体的な行動でのプレッシャーをかけ続けると、本末転倒となり、社員はそのツケを顧客に回すことになる。
その結果が、カズワンの事故であり、今回のビッグモーターの事件である。
小山昇社長の言とは真逆で殆どの社員はバカではない。個としての自分の生き延び方を常に考えている。そこを読み切れていない浅薄な経営者がいる事がこれらの悲劇を生み出す原因となる。
2.パクる事の愚かさ
中小企業に最も欠けるものは一般的に仕組みとその実行である。
例えば、見積もりはするものの、いつもそれはどんぶりで、原価を把握できていないので、月次決算時にしか儲かっているか?どうかが分からない。(社長は肌感覚では分かってはいるが)勿論、毎月資金繰りをしているので、月次でキャッシュフローの把握自体は必要になる。
最も重要なことは見積もりと現実の仕事の目合わせと、そこから出てくる赤字要素の改善だが、それが出来ている中小企業の現場は少ないのが現実である。
経営者に全ての業務の権限と責任が集中しているので、時間上でも気持ち的にも余裕が無く、一番大切なそこを疎かにしがちなのである。
仕組みがないので、例えば50人の社員がいて組織表が有っても、それは人をポジションに、振り分けただけの話で機能した組織ではない。兼務が多い組織表ほどその傾向は強い。
結局は決済は経営者に委ねられ、社員は人事権を持ち、給与決定権を持つ唯一の人間である社長の顔色を顧客より仕事の品質よりも第一に考えることになる。
社長は社長で形骸化された組織を変えようとしない。
中間の権限を曖昧にする事で、常に社員は自分だけを見て働く事に満足するからだ。ある意味、社員に取っても社長に取っても都合の良い有り様という事になる。
中小企業の社員はみんなバカ!と言う小山昇社長の言う事は正しくはない。
バカだから、できる人をパクれ!そして、途中で自分流に変えるな!お前らは頭が悪くてバカだから自己流に変えると必ず失敗する!と言うのが彼の言い分だ。
これは明らかに間違いである。
人は過去の失敗に生きる。
仕事も人生も失敗だらけ。
これからも死ぬまでに幾つも様々な失敗を繰り返すだろう。。でも、愛すべき人、或いは信頼すべき仲間が見ていてくれるのなら、いっちょやってみよう!と言うの人間の有り様だ。
そして、他人のやり方をパクれ!では個人の創造性と言う人生の最大の楽しみを抹殺する事になる。一部の独裁国家のように全体主義になってしまう。
そんな企業に一日でも留まることは人生の浪費と言える。
3.最後に
ビッグモーターの事件に関して、「今時こんな企業が」と言う人もいると思う。
しかし、育ったバックグラウンドの違う様々な人々が蠢いていているのが現場である。何処でも現場はおどろおどろしいのが常であり、だからこそ価値がある。
今後、ビッグモーターがどういう顛末を迎えるかは分からないが、6000人も社員がいる会社が小山昇式経営を参考にしたのは、支店レベルで言えば小規模企業だからなのだと思う。
良い経営理念を支店に伝播する姿勢が欠如していた。
更に最大のミスは経営陣、社員共に、支店は地域と共に生きていくのだと言う切り口が欠如していた事。
小山昇式環境整備の曲解も併せて、もしビッグモーターが再生出来るのなら、地域貢献を風土づくりのベースとしてもらいたい。
私的にはそこに唯一、生き残りの道がある気がする。
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