【No280 過去の書籍『いい経営理念が会社を変える』と株式会社アシストさん】

先日立教大学タッカーホールで開催された『人を大切にする経営学会 第10回全国大会』では、第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞企業26社からのプレゼンテーションがありました。

その中で審査委員会特別賞を受賞された株式会社アシスト(東京都千代田区)さんは、書籍『いい経営理念が会社を変える』(ラグーナ出版、2018)に取り上げさせていただきました。

●経営理念についてはさまざまな表現がされています。理念、社是、社訓、クレド、綱領、社憲、基本方針、ビジョン、モットーなどです。会社によって、それぞれに意味付けをして理念体系を構成していることもありますし、経営者の想いが込められた唯一の言葉がオンリーワン理念として輝いている会社もあります。

いい会社の特徴のひとつは、経営理念を明確に示し、社内に浸透を図っていく取り組みが実施されています。

●株式会社アシストさんは理念の中身を、「哲学と信念」として序文+11章(約14000文字)に文書化しています。

 https://www.ashisuto.co.jp/  TOP>企業情報>アシストについて>アシストの理念

・「哲学と信念」誕生のきっかけ

創業者のビル・トッテン氏が創業1972年から1983年くらいまで、社員数は100名に満たない時期は、全員の名前と顔がわかり、何の仕事をしていて、どんな人で、どんなことを考えているのか理解できていました。しかしその後社員数が急速に増えたため、社員一人ひとりの顔を見ながら、それぞれの社員と交流を深めるのが難しくなってきました。そのため、創業者が考える「アシストの道徳」を執筆したのです。

・こんな記載があります。

“もし社員が私の書いたことに納得できなければ、それを改訂させるよう私を説得するのは社員の責任。それができないのであれば、または『哲学と信念』の内容に納得できないのであれば、アシストを辞めてください、と私は言いました”

●最後に

経営者がこのように明確な文を残すことは、とても大きな意味があると思います。

経営は“やり方”ではなく“在り方”です。

仕事柄、人材確保がおもうようにいかない中小企業さんにお会いすることが多いのですが、ますます人材確保が重要になっている昨今、経営者が問われる経営理念の中身や、その浸透は企業経営の根本的なあり方ではないでしょうか。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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