育児休業取得も制度より風土

経営人財塾第5期生の黒田です。兵庫県神戸市で社会保険労務士事務所を経営しています。

2022年10月に育児介護休業法が改正され、産後パパ育休(出生時育児休業)が新設されました。男性が育児休業を取得するための制度づくりが進んでいます。

本ブログでは、社員とその家族のための男性の育児休業についてお伝えします。

■男性の育児休業取得率目標

2023年06月13日のこども未来戦略方針の中で、男性の育児休業取得率が、大幅に引き上げられることが示されました。

現行の政府目標(2025年までに30%)を改め、2025年までに50%、2030年までに85%と設定されました。

□こども未来戦略方針

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20230613.pdf

また、令和4年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得者の割合は、過去最高の17.13% (令和3年度13.97%)でした。

政府の掲げる目標までは、まだ大きな開きがあります。

仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書によると、育休を取得しない理由は、「取得しづらい雰囲気がある」、「周囲の理解がない」、「収入を減らしたくない」というものでした。

□仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001085268.pdf

■取得期間

私たちは、「男性社員から、育児休業を1年間取得したい。という申し出があった。」というご相談をよく受けます。

また、第一子の育児休業中に第二子が出生した場合、一定の要件を満たせば、男性も4年近く育児休業を取得する権利を持ちます。このご相談も最近では増えています。

■制度を下支えするのは企業風土

経営人財塾第5期生は2022年度に、多くの企業のご協力のもと、法定外福利厚生制度を調査しました。

□『いい会社には、活きた社内制度がある。人を大切にする56社の法定外福利厚生』(2023年、同友館 )

その中には、配偶者の出産時特別休暇制度や法定以上の育児休暇制度など、社員に優しい制度が見られました。

重要なのは、その制度を「活用するのが当然」といった社風や、「お互い様」といった人間関係が醸成されていることです。

あらためて、制度を下支えしているのは企業風土であるということを再認識し、育児休業の取得率および取得期間を考えるべきかと思われます。

私たちの事務所でも、制度を活用しやすい風土づくりをすすめてまいります。

人財塾第5期生 レイズ社会保険労務士事務所 黒田育伸

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