NHK大河「光る君へ」を仕事に活かす 陰陽師

陰陽師は、国家公務員として天体観測をし、天皇に天変を報告し、暦を作成する職業です。     天変とは、惑星の移動や彗星の出現、日食や月食の予報です。                  世の中の疫病や飢饉の発生は天皇の政治の不徳によるところと考えられていたため、天体の観測から警告を得ようとしました。                                   天意を得た天皇は、和暦の元号を変える改元を行い、世の不穏な空気を変えようとします。

陰陽師は国家の安全を守る役目を担っていました。                       陰陽師が特別である理由は、陰陽五行説と天体観測という最先端の科学を持っていたからです。人にはわからない日食や月食の発生を陰陽師は天体観測と計算により何年も前から正確に予測することができたのです。

また、陰陽師が作成する暦は、平安京の人々の暮らしに大きな影響を与えました。         それは、暦注と言われるものです。

開 : 引越しに吉                                     天恩 : 祝い事に吉                                      忌夜行 : 夜に出歩くな                                   大将軍遊東 : 東は凶                                   除手足甲 : 手足の爪を切っても良い                            沐浴 : 体を洗う沐浴の日は月に8度                             現代のカレンダーにも大安・仏滅など、その日にやって良い事と悪い事が示されています。

さらに、陰陽師は呪いを防ぎました。                             権力者への妬みや死の呪いが蔓延しており、それを浄化していたのです。 最高権力者の藤原道長に対し、法師陰陽師が政敵の依頼により呪うことは頻繁でした。

平安京の怨霊の地                                      崇道神社 : 桓武天皇の弟の早良親王が無実の罪で貶められた怨念を鎮めている              平等院鳳凰堂 : 酒呑童子(妖怪)や玉藻前(女狐)の怨霊を鎮めている             清水寺三年坂 : 階段で転ぶと3年で死ぬ理由は死体置場の鳥辺野に疫神がいる

陰陽師は、一般の人が日常に起きる不安の原因を説明し、納得感をもたらせてくれました。     陰陽師の儀式は、北斗祭、宅鎮祭、招魂祭、みそぎ払いなど50種ほどありました。         

陰陽師は、天体観測や暦作成だけでなく、疫病対策、怨霊退散も仕事にしていました。             今も節分で鬼退治の豆まきをするのは、平安時代の追儺の儀式の名残です。           (人を大切にする経営学会:根本幸治)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です