リーダーシップを考える

 第7期EMBAプログラム学会人本経営塾がスタートしています。私も、3期位から1年に一度、登壇させていただいていますが、毎年、テーマを変えるようにしています。3期いい会社のつくり方、4期社員幸福度について、5期ダイバーシティー経営、6期組織文化変革と、自分自身の整理のためでもあります。
 最近、気になっているのは、リーダーシップです。少し大きな本屋に出かけてみると、様々なリーダーシップの書籍で溢れています。変革のリーダーシップ、サーバントリーダーシップ、オーセンティックリーダーシップ・・・他、本当に様々で、何を読んだらいいのか迷ってしまうのは、私だけではないのではないと感じます。

 ハーバード系のリーダーシップは、ビジョナリー・カリスマ・エンパワメント型の、「上から」マネジメントするリーダーです。
 社会現象としてみて、ピーター・ドラッカーの言葉は、シンプルで的を得ています。
「リーダーとはフォロワーがいること」
 つまり、ドラッカーは、リーダーという存在は、喜んで協力してくれるフォロワーがいて成り立つ社会現象だと言っているわけです。
 つまり 、リーダーとフォロワーは、互いに影響し合う(Relational)ので、どちらか片方の行動だけでは、リーダーシップは機能しないのです。

組織を壊すリーダーシップとして、トキシックリーダーシップ といった考え方があります。
特徴としては、下記の5つです。
1つ目は、自信過剰で他者の意見を無視する「自己中心的」
2つ目は、権力や影響力の強いポジションを求める「権力志向」
3つ目は、社交的で愛想がよく、受けの良いイデオロギーを支持する「カリスマ性」。
4つ目は、成長期に重大な問題や苦労話や起こりそうにもない話をする「ネガティブ志向」。  5つ目は、外部からの脅威という認識を意識させ権力を正当化する「共通の敵づくり」
となっています。

 身近にも、イメージできる方がいるかもしれません。実は、こうしたトキシックリーダーシップは、リーダーだけでなくフォロワーシップが作り上げている面があると言うのが、マイケル・サンガ―氏の主張です。組織を破壊するリーダーに順応してしまうメンバーがいたり、あるいはそのリーダーを積極的に支援する支持者がいれば、トキシックリーダーシップは強化されるからです。日本では、太鼓持ち等といった言われますが、まさに、トキシックリーダーを助長するのは、部下が忖度・ヨイショするからです。

いい会社になるには、組織が変わる力を蓄えて発揮してゆくには、変革をリードする人とフォローする人が、状況に応じて、自発的に、また主体的に役割を変えながら、変革の意欲を湧き立たせてゆく事が不可欠です。


ちなみに、軍隊というと、上官の命令が絶対といったイメージがありますが、かなり昔からイギリス陸軍では、上官が誤っているときに、兵士たちが徒党を組んで、軍事行動のパーパス(目的)を基準にして、決断を覆す道を残すように、リーダーシップ研修にフォロワーシップが組み込まれています。

<参考サイト>
組織を壊す「トキシックリーダー(Toxic Leader)」にならないために
(パーソル研究所2014年8月20日UPサイト)
https://www.youtube.com/watch?v=8T0Z94peOjg
https://www.youtube.com/watch?v=4vsOdDRzcm4&t=2s
https://www.youtube.com/watch?v=WF6BFWhpUQA

まさに、リーダーシップは、フォロワーシップと一体として考えることが重要ではないでしょうか。
                             学会事務局長 藤井 正隆




 


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