NHK大河『光る君へ』を仕事に活かす (源氏物語)若菜・上

 光源氏は40歳の晩年、兄である42歳の朱雀院から娘である女三宮13歳の婿選びに苦慮し、源氏に降嫁する旨を相談されます。

 朱雀院は先日出席した、六条院の行幸直後から病気を患い出家しようとしますが、生母(藤壺の異母妹・源氏女御)を既に亡くし後見人の居ない愛娘女三宮の将来が心配で躊躇していました。弟宮の蛍兵部卿宮や藤大納言・柏木など多くの貴公子が婿候補にあがるも、婿選びに思い悩んだ末、朱雀院は源氏に宮を託すことを決心、源氏もそれを承諾します。それまで正妻格として認められてきた紫の上は動揺しますが、それを隠して女三宮を源氏の正室として迎える準備をします。

 年が明け二月に女三宮が六条院に降嫁したものの、女三宮のあまりの幼さに源氏は失望してします。また、紫の上は思わぬ展開に悲しみを内に秘めて次第に出家を望むようになっていきます。

 朱雀院の出家で、寵愛していた后妃たちもそれぞれ自邸に下がります。源氏はかつて恋に落ちた朧月夜が実家(かつての右大臣邸)へ帰った事を知り、政敵の娘との許されぬ恋により、須磨・明石に蟄居を余儀なくされた日々を思い出します。源氏から「久し振りに会いたい」と使いをよこされた朧月夜は頑なに拒否するが、それにもめげず源氏は元右大臣邸へ。結局よりが戻ってしまう。 翌朝六条院に帰った源氏は、これまでと違う紫の上の態度に戸惑います。

 一方、内裏にいる明石の女御は体調が優れず、「実家の六条院へ帰りたい」と訴えていましたが東宮(後の帝)が許してくれず、鬱々とした日々を過ごしていました。女御の病状を確かめると懐妊した事が明らかに。東宮もようやく宿下がりを許します。六条院に帰った明石の女御に対面するついでにと、紫の上は女三宮への挨拶を申し出ました。

 十月、源氏の四十賀が盛大に執り行われます。紫の上、秋好中宮を始め、上達部や殿上人など世間中が饗応の準備に明け暮れました。

 一方、かねて女三宮の降嫁を切望していた柏木(内大臣の息子)は、その後も未練を残していました。三月末、六条院の蹴鞠の催しに訪れた柏木は、飛び出してきた唐猫の仕業で上がった御簾の奥にいる女三宮の姿を垣間見てしまいます。それ以降、柏木はますます女三宮への思いを募らせていきます。 (人を大切にする経営学会:根本幸治)

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