風が吹いたら

経営人財塾6期生の船越武英と申します。私は20年ほど生命保険販売業務をしています。コロナ中「日本でいちばん大切にしたい会社」を拝読し、とても惹かれました。学会関西支部のお手伝いをさせて頂けた日は空気感にウキウキし、こんな人たちに会いたい、もっと知りたい、学びたい衝動が湧き入塾に至りました。6期生となりジェットコースターのように心の中はワーワー叫び、頷いてばかりの一年でした。

卒業を控えた頃、私は大きな勘違いをしていたことに気づきました。仕事で私のする話は全て生命保険契約ありきで始まっていたのです。これまでご契約を頂いた際には、「これで安心ですね」と伝えていたのです。しかしそこにある事実は「そもそも誰も“がん”になりたくないし、誰ひとりとして保険をつかった暮らしなんか望んでいない!」ということなのです。保険は人の幸せの本来の目的ではないと考えるようになり、それ以来、少しずつ大切なことが現れるようになりました。

厚生労働省のデータによると今、日本では年間102万人が「がん」に罹患され、毎年38万人がお亡くなりになっています。ただ長期休業したがん患者は死亡しなければ大半のケースで復職しています。具体的に胃がんはステージ1発見の生存率97.4%ですが、ステージ4だと7.4%です。大腸がんは97.6%と20.2%、肺がんは81.8%と4.5%、乳がんは100%と37.1%、子宮頚がんは92.3%と26.6%となっています。がんのステージ1発見治療とステージ4発見では生存率に大きな差があるため、腫瘍マーカー検査、内視鏡カメラなど人間ドックで早期発見体制をつくることが社員と家族を守り、復職につなげる最優先事項になります。またステージ1発見の大切さを知らない社員さんも多いため、自身を守る予防や治療方法、それにかかる費用、家族のお金までを社員健康研修で情報不足を解消することも大事です。

その他の不測事態として脳溢血や心筋梗塞、事故など突然死があります。この場合、家族は故人の遺志もわからないままパニックになり、悲しみが治まらぬうちに経済的困窮がやってきます。また「ひとり親社員」や「障がいあるお子さんの親社員」にとっても不測事態はさらに深刻です。また精神疾患はがんよりも近年休業者が増加傾向にあり、自殺は家族にとてつもないダメージを与えます。

そのとき会社はどうするのか?リーダーはどうしたいのか?未然防止は?早期発見は?休業期間は?復職体制は?家族へのケアは?地域との連携は?就業規程は?保険は?、、、研究していくとこれらは全て同じ流れの中に存在し、社員を大切にする会社には“社員とその家族への支援プログラム”が必要ということがわかってきました。

そしてそのプログラム設定が家族を守り→家族が社員を応援し→社員は会社に愛着が湧き→成長を望み→部門垣根のない社内横断が始まり→お客様への使命を生み→お客様の反応、現実となる、この現実こそが受注・売上・業績そのものであり、利益は社員が創るという構造も少しずつ整理でき始めました。風が吹いたらみたいなものでしょうか、社員の家族を大切にすると成果がでるのです。

これからはストレス値の高い業種に応じたオーダーメイドの福利厚生制度や、社員ひとりひとりに合わせた社員疾病休業レジストリーが望まれる将来になると考えています。

生命保険は社員と家族に繋がっています。まだまだ渡る世間では受け入れてもらえずに、一人でへこむことも多いのですが、私は人を大切にする経営を研究し、志し高く丁寧に伝える学会員になりたい。ハイ、行ってきます!

人財塾6期生・船越 武英

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「風が吹いたら」への1件のフィードバック

  1. 学会、全国大会の分科会でのプレゼンテーション、お疲れさまでした。プレゼンテーションを聴きながら、自分の心の中に、「うん、うん」と納得するものがありました。先月、従姉妹のお嬢様が、病気で急逝しました。ご主人と4歳の一人娘を残して……。誰もが、がんにかかりたくないと思っている、まさにそのとおりですね。共感しながら、ブログを読ませていただきました。