No328『中村ブレイス株式会社(島根県大田市)』第14回受賞企業ホームページから

このシリーズでは「第14回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業のホームページを拝見して印象に残った内容をご紹介しています。
 https://www.nakamura-brace.co.jp/
中村ブレイス株式会社(島根県大田市)さんです。審査委員会特別賞を受賞されました。
同社と石見銀山は大きな関わりがあります。そんな視点からホームページを拝見しました。

●概要
会社名 中村ブレイス株式会社
代表者 代表取締役 中村宣郎
創業 1974年12月
業務内容 義肢装具・医療用装具の製造販売
本社所在地 〒694-0305 島根県大田市大森町ハ132

●理念/私たちのこだわり
・理念
中村ブレイス株式会社は社是『Think』を心がけ、
「人にやさしいものづくり」を行う。

・私たちのこだわり
「石見銀山から世界へ。
創業の地で義肢装具の研究・開発に取り組んでいます。」

山と川に囲まれた、地方の静かな町。季節の移ろいを肌で感じながら私たちは製品を研究・開発し、技術を磨いています。
「メディカルアートと称したリアルで美しい製品で、笑顔と暮らしを取り戻してほしい。」

●石見銀山の歴史
1309(延慶2年) 初めて石見銀山が発見されたという
1600(慶長5年) 関ケ原の戦いの後、徳川氏が領有、幕府直轄領(天領)とする
1602(慶長7年) 年産4000貫=15tの銀を産出。最盛期には周辺に約20万人が暮らしていたと言われている
1673(延宝元年)以降  銀産出量が減少する(10年間の平均産出高261貫=980kg)
1733(享保18年) 代官・井戸平左衛門(通称・いも代官)がさつまいもの植え付けを奨励し、享保の大飢饉から石見銀山領の領民を救う
1869(明治2年) 大森県が置かれる(8月から明治3年1月まで)
1923(大正12年) 第一次世界大戦後の銅相場低下により休山となる

●中村ブレイスさんの歴史
1948(昭和23年) 創業者中村俊郎、大森町に生まれる
1974(昭和49年) アメリカの義肢装具メーカーや病院で経験を積み、最新技術を習得
帰国後、実家の納屋を改造して、1人で中村ブレイス創業。社名の「Brace(支える)」に人や地域を支えたい思いを込めた
1997(平成9年) モンゴル大火災の少年、ツォグト・オチル君来日、義足を製作
2008(平成20年) 「石見銀山文化賞」創設
2011(平成23年) 大田警察署と「安全で住みよい世界遺産の地『おおだ』の地域社会づくりに関する覚書」を締結
2012(平成24年) 石見銀山の入り口にゲストハウス「ゆずりは」オープン(現在は外部に運営委託)
2014(平成26年) 創業40周年記念として世界一小さなオペラハウス「大森座」が竣工
2017(平成29年) 石見銀山・大森町内の古民家の修復・再生事例が60軒を超える。
2023(令和5年) 旧商家「松原家住宅」を改修。島根県立大学と共同し、「石見銀山まちを楽しくするライブラリー」をオープン https://ginzan-books.com/

●創業者の中村俊郎氏の経歴受賞歴(ほんの一部)
2006.11.09 天皇・皇后両陛下主催 秋の園遊会
1993 第1回中国地域ニュービジネス大賞企業大賞(グランプリ)受賞
2005.08.06 モンゴル国立教育大学 特別表彰
2008 第6回渋沢栄一賞 受賞(埼玉県、渋沢栄一記念財団、深谷市)
2008 平成19年度地域づくり総務大臣表彰 個人表彰 (総務省)
2009 ソーシャル・ビジネス・アワード2009
「ソーシャル・ベンチャー・ビジネス賞」最優秀賞(NPO法人ソーシャル・イノベーション・ジャパン)
2009 平成21年度島根県各種功労者表彰
〈石見銀山遺跡の歴史文化等の調査研究と啓発に努め地域文化の振興に寄与したことに対して〉
2010 第7回 企業フィランソロピー大賞(公益社団法人日本フィランソロピー協会)
2019 UNESCO Leadership Symposium in Iwami Ginzan 感謝状(パリ ユネスコ本部)

●最後に
中村ブレイスさんの歴史は石見銀山という過疎地再生の取り組みは重なっています。そして創業者の中村俊郎氏の歩みそのものです。
中村俊郎氏は京都の義肢製作所に入社後、アメリカへ渡り、研修先にて最先端の義肢装具製作技術を学び、26才で故郷の大森町にて中村ブレイスを創業しています。
当初はゴーストタウンになっていた大森町にて、「銀山の麓から、義肢装具を作って世界の人の役に立つんだ」と大きな夢を抱いていたそうです。
ホームページには、中村俊郎氏のプロフィールや経歴・受賞歴が紹介されています。一部を紹介させていただきましたが、その内容は驚くべきものであり、同社が多岐にわたって幅の広い活動をされていることがわかります。
多くの方の心に残る内容ではないでしょうか。是非、中村ブレイスさんのホームページをご自身で味わっていただければと思います。
そして現在は息子である中村宣郎氏が2代目の代表取締役をされています。今後の同社が地域とともにどのように歩みを進めるのかとても楽しみです。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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