寒さ厳しい冬本番を迎えて

経営人財塾第6期生の神宮正広と申します。

私は、いすゞ自動車(株)製のトラック・バスを群馬と埼玉の2県において販売する関東いすゞ自動車(株)という自動車ディーラーに所属しつつ、その子会社の北関東自動車工業(株)に2022年4月に出向、同年5月より社長を務めております。

北関東自動車工業では、トラックボディーを自社で製作するほか、汎用規格の他社製ボディーに改造や加工を施し機能性や付加価値をより高めることを事業としております。

一概にトラックといっても、働く車、運ぶ道具としてのトラックは、一台毎に使われ方や積荷などが異なります。それを毎日使うことでお金を稼いでいるお客様は物流のプロであり、プロが使う道具としてのトラックボディーには、お客様の数多くの要望やこだわりが込められています。

弊社の扱うトラックボディーは一点物の案件がほとんどで、生産現場の社員は図面に基づきながらも経験や勘も頼りにして、現物合わせの調整・加工を一台ずつ手作業で行っています。

作業現場は、当社が群馬県伊勢崎市という内陸部に位置することと、さらに地球規模での温暖化の進展もあって、夏は40℃を超えることさえある猛暑、冬は冷え込みに加えて砂まじりの「からっ風」が吹き荒れる上州名物の気候の影響を大きく受け、労働環境の厳しさは年々深刻さを増しています。

そのような中で設備老朽化の問題も抱えていたことから、弊社では思い切って2020年から昨年までの3年半の間に工場を3棟新築、その際に屋根は二重張りを採用することで遮熱・断熱性を高め、特に夏場の熱中症を予防する観点から労働環境改善を図りました。しかしながら、塗装や溶接など人体への有害物質の換気対策が必要となる業務が多く、空調が整った快適な作業環境を確保するまでには至っていないのが現状です。

いよいよ師走に入り、夏に次いで厳しい冬本番を迎える中、寒い現場で日々働く社員に感謝するとともに、もっと暖かい環境で働いてもらえればと思っています。しかし、その一方では事業規模からは過大とも言える設備投資で固定費増化が経営を圧迫している状況に目を向けてしまい、以前に比べれば改善された作業環境の現状に甘んじてしまう選択が頭の中によぎることも全く無いわけではありません。

このように足下に目が行き経営のあり方・進む方向がブレてしまいそうになる時は、人財塾で学んだ社員を大切にする会社の経営者が行った選択・決断を思い起こし、遠い先の理想とする姿、その一点に目を向けて方向性を確認し一歩ずつでも前進して行く判断を心掛けています。

人財塾を卒業し早や8ヶ月が経過する今、時の経過とともに記憶が薄れてきていることは否めません。しかし、それを最小限とするために「最終講義」としていただいた坂本先生メモを手帳に貼り付け、事あるごとに読み返すことをはじめ、人財塾での学びを軸に自分自身の経営のあり方のブレを修正しています。

50代も残り2年程となった今、未だに不惑の境地に達することはできておりませんが、今後も人財塾での学びと皆さまとのご縁に感謝しつつ、社員の幸福を願って「いい会社」を目指して参ります。

人財塾6期生・北関東自動車工業株式会社・神宮正広

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