No346記憶に残る言葉【株式会社マルト;安島浩社長】
今回は2015年3月の「第5回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にて経済産業大臣賞を受賞された『株式会社マルト』安島浩社長のお話から印象的だったお話をご紹介致します。
2017年9月に坂本ゼミ夏季合宿先のひとつとして訪問させていただきました。
●概要(現在のHPより) https://www.maruto-gp.co.jp/
社名 株式会社マルト
設立 昭和39(1964)年10月
資本金 5,000万円(グループ 2億1,100万円)
代表者 代表取締役社長 安島 浩
本社所在地 〒979-0195 福島県いわき市勿来町窪田十条3番1
総従業員数 正社員900名 タイム社員1,400名
事業内容 生鮮食品・加工食品・雑貨・衣類・一般薬品の販売、調剤薬局
グループ構成 株式会社マルト、株式会社マルト商事、株式会社マルトグループホールディングス、株式会社くすりのマルト[薬剤・調剤薬局部門]、株式会社ファミリー[衣料部門]、株式会社ハロー、株式会社マルト興産
株式会社マルトは福島県・茨城県を中心に生鮮食品・加工食品・雑貨・衣類、調剤薬局を主な事業として約40店舗を展開する小売業です。
日常型しあわせ創造企業を目指して土日の大量買いではなく月~金の平日に食品を中心に来店いただくことで地域になくてはならないお店になっています。その結果、地域における食品部門シェア50%、医療品部門シェア65%を誇っていました。
店作りは大手資本のような大型店ではなく、1000平米規模の小規模店を中心としています。
●印象的だったお話
・財務体質の強さ(実質無借金経営)
・すべてのグループ会社、すべての店舗は黒字でなければならない
・店舗の利益が3%以上でなければ出店しない
・商売とは心からありがとうと言ってくれる友人をつくること
・成長ではなく膨張は会社をだめにする。膨張させるな
・会社は社長の力量以上にはならない
・障がい者雇用率は4%。
●地域住民とのつながりや貢献を大切にしています。
・地域のライバル店が倒産した時は事業を継承してグループ化
・老舗百貨店が廃業の際は地域の安定を第一優先に考え商品在庫を言い値で購入することで支援
・“地域住民の30%を海外旅行に連れていきたい”という創業者の思いから生まれた企画は、大手旅行会社と初企画した際に100名集まればよいと言われたところ580名も集客。今では毎年の恒例行事となっている。
・地域のスポーツ・文化事業を積極的に支援
・親子の健康促進のために食育活動を実施
●人財育成・教育システムについて
・人事部は“人を育てる部”
・従業員のやる気作りが大切。社員の潜在能力を高めることが会社の成長となる
・新入社員研修、1年間のトレーニー制度、海外研修、階層別研修、社外セミナー、パート採用者を対象とした研修など、やる気を出しやすくチャレンジしたくなる人つくり制度が充実
・子供手当・結婚手当・資格取得関連手当や、住居提供・社内預り金制度(利息補助+業績連動利息)など生活支援が充実しており従業員が安心して長く働ける職場
●情報システムを社外に広げた仕組みと位置づけ活用していることも特徴
・大手IT会社と協業し、国内の先進的な高齢化モデルである同地域の購買データを仕入れメーカーにも公開することで、業界全体の将来の事業戦略や売り場作りに貢献
●最後に
安島浩社長は従業員の成長を願って人財教育に力を入れています。そして従業員は会社にバックアップされながら自身の成長を実感するとともにお客様のために様々な取り組みを生み出して実践しています。このサイクルは正しい成長・正しい組織の在り方です。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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